2015年10月15日
10月3日(土)、赤塚植物園FFCホールおよびレッドヒルヒーサーの森において、「第15回 地域が応援するキャリアアップセミナー」を開催しました。
このセミナーは、地域の未来を担う中学生・高校生が、将来、三重県やそれぞれのふるさとで素晴らしい仕事が出来ることを知り、地域社会のために活躍してほしいと願い、第1回を平成21年3月にスタートしたもので、若い人への社会を知るキャリア教育の視点も合わせ持つものです。本年のテーマは「里山における環境学習と国際交流」です。参加者は中学生30名、高校生34名、大学生15名の計79名で、三重大学からはISO学生委員会から13名が参加し、各グループのリーダーとして参加者を先導しました。
セミナーは名古屋産業大学、三重県教育委員会、㈱赤塚植物園、三重大学での産学官連携で開催されており、この日の冒頭では㈱赤塚植物園の藤森忠雄常務、名古屋産業大学の伊藤雅一学長、本学人文学部の朴 恵淑教授から開会挨拶がありました。
開会挨拶が終わると、午前の部として基調講演と交流学習"環境テレビ会議"が行われました。
基調講演では、本学西村訓弘副学長から「三重と台湾における経済・観光交流」というテーマで、地方創生によって地域が自主独立して活動することが求められる中で、三重県がどのように対応していくか、海外からの交流という切り口での話がありました。また、名古屋産業大学の林 敬三(リン ジンサン)教授からは、「台湾における環境教育と国際交流」について、台湾における環境教育の現状や名古屋産業大学が取り組んでいる国際交流についての話がありました。その後、交流学習として"環境テレビ会議"を実施。CO2濃度から地球環境を考える」として台湾の大同高校と県立久居農林高校とでインターネットを利用したテレビ会議を行い、それぞれの環境プロジェクト研究の成果の発表を行いました。
午後の部では、赤塚植物園レッドヒル ヒーサーの森でフィールドワークが行われました。
フィールドワークでは、参加者は「野草の生態観察コース」、「CO2濃度調査コース」、「里山ビジネスと情報コース」、「樹木の生態観察コース」、「昆虫・土壌動物観察コース」の5つのコースに分かれ、植物の保全と環境や現代の社会環境に適した自然豊かで人々が集う里山について、様々な木々や生き物の生態を観察し形態や生態についてなど、里山を散策し自然に直に触れながら学習しました。
最後に行われたグループ討議・発表・交流学習では、「高校生、中学生による里山ビジネスのための環境学習と発想ブレインストーミング」として、みんなが集う里山にするにはどの様な企画や情報発信をすれば良いか、中高生の視点でビジネスの要素も含め考え、10グループで発表を行いました。その中では、"情報発信に中高生のラインを活用"、"植物の観察に妖怪ウォッチのアイデアに取り入れた「里山ウォッチング」"、"若者を呼ぶ「森のカフェ」"など若者らしい発想からの発表がありました。
大学生にとっても共通テーマを異世代と学ぶ今回の企画は新鮮で有意義だったようです。また、生徒を引率した先生方からも生徒の生き生きしたグループ討議や発表の様子を見て、喜んでいただき、今後、学期ごとの開催の意見なども多く寄せられました。
折しもノーベル賞の受賞が発表され、微生物やニュートリノなどの報道で溢れていますが、教科書を離れて一歩外に出て、自然の真っただ中で直に自然に向き合った今回の開催は、理科離れがいわれる昨今の中で参加者にとって貴重な体験に繋がったのではないでしょうか。