2015年08月24日
8月20日(木)、工学部技術部において、第7回夏休みものづくり体験セミナー『オリジナルプレートを作ってプログラム制御と機械加工を体験しよう!』『材料試験を体験しよう!』を開催しました。
このセミナーは今年で7年目となるもので、8月6日・12日・20日に5つのテーマに分けて開催しており、この日は2つのテーマのもとで体験セミナーが行われました。
『オリジナルプレートを作ってプログラム制御と機械加工を体験しよう!』では中学生5名が参加し、透明のアクリル板への文字彫り加工を体験しました。人力では大変な作業となる文字彫り加工ですが、パソコンで作業をプログラム化することで、工作機械で簡単に作ってしまうことができます。
下書きを元にデザインをデータ化
生徒たちはまずプレートデザインの下書きを行い、それをパソコン上で設計支援ソフト(CAD)を使って、好きな文字・フォントを選びデザインのデータを作成しました。出来上がったデザインデータは、CAMというソフトを使ってプログラムへと変換を行います。その後、プレートを削る工作機械(NCフライス盤)にプログラムを読ませて、オリジナルのプレートを削り上げました。参加した生徒は完成したプレートを手に取り、とても満足そうにプレートを見つめていました。ものづくりの原点である機械加工とプログラム制御を楽しみながら体験できたようです。
NCフライス盤がデータ通りに削ってプレートが完成しました
『材料試験を体験しよう!』には中学生3名が参加し、万能試験機を用いた金属資材の引張試験の体験が行われました。 金属はとても硬い印象ですが、大きな力で引っ張るとゴムのように伸び縮みする性質があります。変形には段階があり、伸びたものがゴムのように戻る範囲は弾性変形、その限界を超えて元に戻らなくなったものは塑性変形と言います。今回参加した生徒は、純アルミニウムとアルミニウム合金の塑性変形について体験しました。まず始めに試験後の変化がわかるよう、金属の幅や厚さの測定を行いました。
マイクロメーターを使って厚みを測っています
測定には0.001mmまで測定することができるマイクロメーターや万能投影機を用い、生徒たちは初めて使う機器にやや苦戦しながらも一所懸命に計測を行っていました。計測後の引張試験では、最初に純アルミニウム板を、続いてアルミニウム合金の試験を行いました。純アルミニウムは比較的やわらかく、100kgほどの力で伸び始め、140kg程度で断裂してしまったのに対し、マグネシウムを含んだアルミニウム合金は400kgでやっと断裂を起こしました。生徒たちは同じ「アルミニウム」と名がつく金属でも大きく性質が違うことに驚いていたようでした。引張試験が終わると、試験後の金属板の厚さや幅、長さ比較し、同じ金属でも異なる性質を持つおもしろさを学びました。
試験後の純アルミニウム板は大きな伸びが見られました