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記者会見「がん治療の新たな光となる新規治療標的遺伝子を発見」を開催しました

2014年09月18日

9月18日(木)、総合研究棟Ⅱ第2・3会議室において、医学系研究科 薬理ゲノミクスの田中利男教授と元同研究室の学生の黒栁淳哉さん(現 ㈱フュージョン)による標記記者会見を開催しました。

20140918_記者会見「がん治療の新たな光となる新規医療標的遺伝子を発見」 (19)_R

今回行われた会見での研究発表の概要は以下のとおりです。

   がんは急激な成長を維持するために、栄養補給路として腫瘍血管の新生を誘導することが知られています。1970年代から、がん治療薬として血管新生の阻害薬が提案され、その後、血管新生を促す「血管内皮増殖因子(VEGF)」を治療標的遺伝子として、その働きを抑制する治療薬がいくつか開発され、臨床応用されてきました。しかしながら、その治療抵抗性や副作用等が課題となっているのが現状です。
   今回、三重大学大学院・医学系研究科・薬理ゲノミクスの田中利男教授らの研究グループは、ヒトゲノムと約8割の相同性を持つゼブラフィッシュを独自改良した品種「ミエコマチ」を用いて、「ZMYND8」ががん治療のまったく新しい標的遺伝子となることを発見しました。
   この「ZMYND8」を標的遺伝子とすることで、「VEGF」を標的とした場合と同等の血管新生の抑制効果があることがわかっています。また、ゼブラフィッシュによる実験だけでなく、ヒトの臍帯静脈を用いた実験でも効果を示しており、今回の研究成果は今後のがん治療薬開発における新領域の開拓に成功したものと言えます。
   これらの成果は、ヨーロッパ生化学学会学術誌『FEBS Letters』オンライン版に2014年8月10日に掲載されました。

今後も三重大学の研究成果にご注目ください。

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研究発表を行う田中教授(中央)と黒栁さん  ・  会見後もぶら下がり取材が行われました

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