2014年09月18日
9月11日(木)、内田淳正学長他は、ベトナム・ホーチミン市のツーズー病院平和村を訪問し、グエン・ドクさんと面談しました。
ベトナム戦争終結後の1981年に結合双生児として生まれたグエン・ドクさんは、1988年にホーチミン市ツーズー病院で日本人医師の協力により分離手術を受けました。手術後は人工肛門の状態でしたが、自然肛門からの排便を取り戻すために1994年に三重大学附属病院に検査入院、翌1995年に無事手術が成功しました。今年はちょうど入院から20年の節目の年にあたります。
兄のベトさんは残念ながら他界しましたが、ドクさんは2006年に結婚、2009年には双子のお子さんを授かりました。現在はツーズー病院の事務員として勤務しながら、訪問者にベトナムの障害者の現状や枯葉剤の影響について伝える活動を行っています。
会談はツーズー病院平和村のタン村長、ニー副村長他の同席のもと、三重大学入院時の思い出話を交えて、終始和やかに行われました。ドクさんは当時を振り返り、「三重大学付属病院での手術のおかげで、自分の人生は大きく変わりました。人工肛門は様々な不便なことがあり、中学校の同級生からもからかわれたりしましたが、手術後は、一人の人間として自信をもって生活することができるようになりました」と語りました。また、「日本のみなさんの支援と励ましのおかげで自分は幸せな人生を送ることができ感謝しています。どんな地位や資産のある人でも、ひとたび戦争によって障害者になれば支援が必要となります。日本の若い人たちには平和の大切さをぜひ考えてほしいです」とのメッセージが寄せられました。内田学長からは、「日本の若者にもぜひドクさんの努力を見習ってほしい。これからもドクさんにはぜひ日本の若者の手本となっていただきたい」とのエールが送られました。
ツーズー病院は病床数1200のベトナム南部最大の産婦人科病院です。同病院では、枯れ葉剤の影響を受けたとみられる障害をもった新生児が現在も誕生しており、平和村では約60名の子供がリハビリをしながら生活しています。
ドクさんと内田学長
後列左より、国際交流センター長縄特任准教授、タン平和村村長、ニー副村長、内田学長、上川総務課長、前列はドクさん
ツーズー病院平和村の病棟でニー副村長より説明をうける内田学長