2014年03月06日
3月7日(金)、総合研究棟Ⅱ第2・3会議室において、標記記者会見を開催しました。
この度、三重大学医学系研究科の岩永 史朗准教授は、アフリカに棲息するOrnithodoros(オルニソドロス)属マダニの唾液腺内生理活性分子の解析を行い、脊椎動物の血管拡張ホルモンの一種であるアドレノメデュリン(ADM)と類似する分子を同定し、オルニソドロス属マダニが吸血時、この分子を宿主体内へ注入し、血管拡張を引き起こして吸血を容易にしていることを発見しました。
岩永准教授
更に岩永准教授は同定したADM様分子の遺伝子構造を解析し、この遺伝子が2億4千万年前(三畳紀)から約9千4百万年前(白亜紀)の間に、マダニの宿主動物であった爬虫類もしくは恐竜から水平伝播により獲得されたことを証明しました。これは世界で初めて、動物間での機能性遺伝子の水平伝播が自然界で起こったことを証明する成果です。
本研究の成果は、動物や昆虫を含む多細胞真核生物の進化において遺伝子水平伝播の重要性を示すものであり、生物進化の概念に大きな影響を与えることから国際的にも注目を集めています。
会見後もぶらさがり会見が続きました