2014年01月06日
12月20日(金)、生物資源学部大講義室において、標記シンポジウムが行われました。
本学の練習船「勢水丸」は、平成22年6月に文科省から「黒潮流域圏における生物資源と環境・食文化のための共同利用拠点」として認定され、他の大学に乗船機会の提供を行う等共同利用の推進を行ってきました。従来より行ってきた、海洋生物や海洋の環境についての実習に加え、資源や環境に支えられた「黒潮流域圏の食文化」について学ぶ機会を提供することが本拠点の特徴です。その取り組み内容を学生や一般の人たちに広く知ってもらうために、このシンポジウムは毎年開催されています。
後藤研究科長による挨拶
シンポジウムは2部構成で行われ、まず冒頭に大学院生物資源学研究科長の後藤正和教授より挨拶があり、「4年目となるこの事業は私たち生物資源学研究科の進むべき道を先取りしていると思う。私たちはその流れに乗っていかなければならない。今回のシンポジウムでも活発な討議を期待しています」との言葉がありました。
第1部は「拠点の取り組み」と題し、"黒潮流域圏における生物資源と環境・食文化のための共同利用拠点"として、本学の練習船勢水丸の取り組みについて原田泰志教授、岡田果林三等航海士より紹介がありました。続いて、”瀬戸内海における洋上里海教育のための共同利用拠点”として、広島大学の練習船豊潮丸の取り組みについて、豊潮丸の中口和光船長と越智雄一郎特認助教より紹介いただきました。
勢水丸を紹介する原田教授 ・ 豊潮丸を紹介する中口船長
休憩を挟み、第2部では「熊野灘の自然と食文化」と題し、木村妙子准教授より「未知の深海生物を探索しよう!-海洋生態学習実習の生き物たちと新発見-」と題し、同教員と学生らが新発見した「セイスイガイ」等について、木村清志教授より「熊野灘の魚-自然の恵みに乾杯!!-」と題し、これまで同教員が発見されてきた数々の新種魚類についての講演がありました。また、勢水丸の行っている海洋食文化実習でお世話になっている志摩いそぶえ会・伊藤泰子会長より「志摩の食文化といそぶえ会の活動」、尾鷲市在住の作家・甲斐崎 圭氏より「魚食の文化と文明について」をテーマに講演いただきました。
各講演者による興味深い話を聞いて、熱心にメモをとる参加者の姿が見受けられました。
シンポジウムには約140名が参加し、大盛況のうちに幕を閉じました。