三重大学 線毛疾患研究センター

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研究内容

線毛は細胞小器官の一つであり、一次線毛と運動線毛に大別される。一次線毛はアンテナ状構造物であり、細胞の増殖や分化の制御に密接に関連する。運動線毛は気道分泌や精子運動など、多彩な細胞機能に関与する。線毛の障害が様々な疾患の原因となることが明らかにされつつあり、新たな治療標的として注目を集めている。我々は線毛制御分子トリコプレインのノックアウトマウスを用いた研究から、脂肪前駆細胞の一次線毛伸長により肥満が抑制されること(Cell Reports 2021)、間葉系前駆細胞の一次線毛伸長により骨格筋障害における再生が亢進すること(Advanced Science 2022)を解明している。これらの発見は、線毛を標的とする疾患治療法の可能性を示す独創的な研究成果である。

線毛疾患研究センターでは以下の研究を通して、線毛疾患の病態解明と新規治療法の開発を目指す。

1) 一次線毛形成制御機構のさらなる解明

2) 一次線毛を介したシグナル伝達機構のさらなる解明

3) 一次線毛の形態や機能を指標とする新たな試験法の開発

4) 原発性線毛運動不全症、網膜疾患、前立腺がん、膀胱がん、ウイルス感染、アトピー性皮膚炎、肺高血圧症、発達障害、等の疾患における線毛の機能解明

5) 線毛を標的とする治療薬の開発

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構成研究者

三重大学 大学院医学系研究科 腫瘍病理学 教授 渡邉 昌俊
三重大学 大学院医学系研究科 感染症制御医学・分子遺伝学 教授 野阪 哲哉
三重大学 大学院医学系研究科 統合薬理学 教授 西村 有平
三重大学 大学院医学系研究科 皮膚科学 教授 山中 恵一
三重大学 大学院医学系研究科 リサーチアソシエイト 稲垣 昌樹
三重大学 大学院医学系研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学 教授 竹内 万彦
三重大学 大学院医学系研究科 眼科学 教授 近藤 峰生
三重大学 大学院医学系研究科 腎泌尿器科学 教授 井上 貴博
三重大学 大学院医学系研究科 分子生理学 准教授 笠原 広介
三重大学 医学部附属病院 小児科 講師 澤田 博文
三重大学 大学院医学系研究科 分子生理学 助教 山川 大史
三重大学 大学院医学系研究科 統合薬理学 助教 白水 崇
三重大学 大学院教育学研究科 後藤 太一郎
三重大学 大学院工学研究科 湊元 幹太

連携研究者

国立がん研究センター 先端医療開発センター HPV関連がん予防・治療プロジェクト 清野 透
日本大学薬学部 教授 戸塚 ゆ加里
国立成育医療研究センター研究所 所長 梅澤 明弘
神奈川県立こども医療センター 遺伝科 部長 黒澤 健司
神奈川県立がんセンター臨床研究所 所長 宮城 洋平
奈良先端科学技術大学院大学 准教授 松井 貴輝

センター長

大学院医学系研究科 教授 西村 有平

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