○国立大学法人三重大学監事監査規程
(平成16年4月16日規程第9号)
改正
平成17年9月27日規程
平成18年5月18日規程
平成27年3月26日規程第9号
令和4年3月24日規程第9号
令和7年3月26日規程第9号
目次
第1章 総則(第1条)
第2章 監事の職責と心構え(第2条・第3条)
第3章 監事の体制(第4条-第6条)
第4章 業務監査(第7条-第9条)
第5章 会計監査(第10条-第14条)
第6章 監査の方法等(第15条-第27条)
第7章 監事が三重大学を代表する場合の対応(第28条)
第8章 監査の報告(第29条-第34条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条
この規程は,監事の職責とそれを果たす上での心構えを明らかにし,併せて,その職責を遂行するための監査体制のあり方と,監査にあたっての基準及び行動の指針を定める。
第2章 監事の職責と心構え
(監事の職責)
第2条
監事は,文部科学省の負託を受けた独立の機関として三重大学の業務を監査する。この場合において,監事は,文部科学省令で定めるところにより,監査報告書を作成しなければならない。
2
監事は,三重大学の教育研究の発展を促し,社会的信頼に応える良質な国立大学法人統治体制を確立する責務を負うものとする。
3
前項の責務を果たすため,監事は,役員会,経営協議会,教育研究評議会その他重要な会議への出席,学長,理事及び職員から受領した報告内容の検証,大学の業務及び財産の状況に関する調査等を行い,学長,理事又は職員に対する助言又は勧告等の意見の表明,文部科学大臣への意見提出等,必要な措置を適時に講じなければならない。
(監事の心構え)
第3条
監事は,独立性の保持に努めるとともに,常に公正不偏の立場を保持し,自らの信念に基づき行動しなければならない。
2
監事は,監査品質の向上のため常に自己研鑽に努めなければならない。
3
監事は,適正な監査視点の形成のため,大学運営全般の見地から大学運営課題についての認識を深め,運営状況の推移と大学をめぐる環境の変化を把握するよう努めなければならない。
4
監事は,平素より学長,理事及び職員との意思疎通を図り,情報の収集と監査環境の整備に努めなければならない。
5
監事は,監査意見を形成するに当たり,よく事実を確かめ,必要に応じて外部専門家の意見を徴し,判断の合理的根拠を求め,その適正化に努めなければならない。
6
監事は,その職務の遂行上知り得た情報の秘密保持に十分注意しなければならない。
7
監事は,三重大学の基本目標を達成すべく健全で良質な国立大学法人統治体制の確立と運用のために,監事監査の環境整備が重要かつ必須であることを,学長及び理事(以下「役員」という。)に理解し認識させるよう努めなければならない。
第3章 監事の体制
(常勤監事)
第4条
監事は2名とし,監事のうち少なくとも1名は常勤とする。
2
常勤監事は,常勤者としての特性を踏まえ,監査環境の整備及び学内の情報の収集に積極的に努め,かつ,内部統制システムの構築状況及び運用状況を日常的に監視し検証するものとする。
3
常勤監事は,その職務の遂行上知り得た情報を,他の監事と共有するよう努めなければならない。
(監事選任手続への関与)
第5条
監事は,監事の独立性に留意し,監事の選任,解任,辞任又は不再任についての意見をもつに至ったときは,学長に意見を提出することができる。
(監査職務を補助する体制)
第6条
監事は,監査の実効性を高め,かつ,監査職務を円滑に遂行するため,監事の職務遂行を補助する体制の確保に努めなければならない。
2
前項の体制確保のため,監事は,必要があると認めたときは,役員との間で協議の機会をもたなければならない。
3
監事の事務は,監査室において行う。
4
監事は,監事の事務を行っている者の業務執行者からの独立性の確保に留意する。
第4章 業務監査
(役員の職務執行の監査)
第7条
監事は,役員の職務執行を監査する。
2
前項の職責を果たすため,監事は,次の各号に掲げる職務を行う。
(1)
監事は,役員会の決議その他における意思決定の状況及び役員会等の監督義務の履行状況を監視し検証するものとする。
(2)
監事は,役員が,内部統制システムを適切に構築し運用しているかを監視し検証するものとする。
(3)
監事は,役員が三重大学の目的外の行為その他法令に違反する行為をし,又はするおそれがあると認めたとき,三重大学に著しい損害又は重大な事故等を招くおそれがある事実を認めたとき,三重大学の業務に著しく不当な事実を認めたときは,遅滞なく,その旨を学長(当事者が学長の場合にあっては,学長選考・監察会議)に報告するとともに,文部科学大臣に報告しなければならない。
(4)
監事は,必要に応じ,理事の業務遂行の有効性及び効率性について監査し,問題があれば,担当理事に対し助言,勧告などの必要な措置を講じるものとする。
3
監事は,前項に定める事項に関し,必要があると認めたときは,学長(当事者が学長の場合にあっては,学長選考・監察会議の議長)に役員会(当事者が学長の場合にあっては,学長選考・監察会議)の招集を請求し,又は役員の行為の差し止めを求めなければならない。
(役員会等の意思決定の監査)
第8条
監事は,役員会の決議その他において行われる意思決定に関して,善管注意義務,忠実義務等の法的義務の履行状況を,以下の観点から監視し検証しなければならない。
(1)
事実認識に重要かつ不注意な誤りがないこと。
(2)
意思決定過程が合理的であること。
(3)
意思決定内容が法令に違反していないこと。
(4)
意思決定内容が通常の大学経営者として明らかに不合理ではないこと。
(5)
意思決定が三重大学の利益を第一に考えてなされていること。
2
前項に関して必要あると認めたときは,監事は,役員会に対し助言若しくは勧告をし,又は役員会に対し差し止めの請求をしなければならない。
(内部統制システムの整備状況の監査)
第9条
監事は,役員が内部統制システムを適切に構築し運用しているかを監視し検証しなければならない。
(1)
学長,理事及び職員の職務執行が法令等に違反しないための法令等遵守体制
(2)
三重大学の重大な損失の発生を未然に防止するためのリスク管理体制
(3)
財務情報その他三重大学の情報を適正かつ適時に開示するための体制
2
監事は,内部統制システムの構築状況及び運用状況についての報告を役員から求めなければならない。
3
監事は,前項に定める報告のほか,内部監査部門等との連係及び会計監査人からの報告,また必要に応じて自らの調査等を通じて,内部統制システムの状況を監視し検証するものとする。
4
監事は,内部統制システムに関する監査の結果について,適宜役員に報告し,必要あると認めたときは,学長,理事及び関連部門に対し内部統制システムの改善を助言又は勧告しなければならない。
第5章 会計監査
(会計監査人の独立性の監視等)
第10条
監事は,会計監査の適正性及び信頼性を確保するため,会計監査人が独立の立場を保持し,職業的専門家として適切な監査を実施しているかを監視し検証する。
2
監事は,学長に対し会計監査人の選任,解任又は不再任についての意見を提出することができる。
(財務報告体制の監査)
第11条
監事は,役員が財務諸表及び計算書類等の適正な作成及び報告のため,必要かつ適切な財務報告体制を構築し運用しているかを監視し検証しなければならない。
2
監事は,三重大学が財務情報を開示するに当たり,会計監査人のほか担当理事又は職員に対しその重要事項について説明を求めるとともに,開示される情報に重要な誤りがなく,かつ,内容が誤解を生じせしめるものでないかを検証しなければならない。
(会計方針・会計処理等の監査)
第12条
監事は,会計方針,会計処理の方法等が,三重大学の財産の状況,計算書類等に及ぼす影響,適用すべき会計基準及び公正な会計慣行等に照らして適正であるかについて,会計監査人の意見を徴して検証しなければならない。
また,必要あると認めたときは,役員に対し助言又は勧告をしなければならない。
2
三重大学が会計方針,会計処理の方法及び計算書類等の記載方法を変更する場合には,監事は,あらかじめ変更の理由及びその影響について報告するよう担当理事に求め,その変更の当否について会計監査人の意見を徴し,その相当性について判断しなければならない。
(計算書類等の監査)
第13条
監事は,理事から財務諸表及び計算書類,中期計画の実施状況,附属明細書等を受領する。
監事は,これらの書類を監査し,審議し,監事の監査意見を形成する。
(会計監査人からの報告の監査)
第14条
監事は,会計監査人から監査報告書及び監査に関する資料を受領する。
監事は,会計監査上の重要事項について説明を求め,会計監査人の監査報告書の調査を行うものとする。
2
前項の場合において,会計監査人の監査の方法又は結果が相当でないと認めたときは,監事は,自ら監査を行い,相当でないと認めた旨及び理由並びに自ら行った監査の方法の概要又は結果を検討し,会計監査人の監査の方法及び結果の相当性について審議する。
第6章 監査の方法等
(監査計画及び業務の分担)
第15条
監事は,内部統制システムの整備状況に留意の上,重要性,適時性その他必要な要素を考慮して監査方針をたて,監査対象,監査の方法及び実施時期を適切に選定し,監査計画を作成する。
この場合,監査上の重要課題については,重点監査項目として設定するものとする。
2
監事は,効率的な監査を実施するため,適宜,会計監査人及び内部監査部門等と協議又は意見交換を行い,監査計画を作成するものとする。
3
監事は,組織的かつ効率的に監査を実施するため,監査業務の分担を定めるものとする。
4
監事は,監査方針及び監査計画を学長及び役員会に説明するものとする。
5
監査方針及び監査計画は,必要に応じ適宜修正するものとする。
(役員会への出席・意見陳述)
第16条
監事は,役員会に出席し,かつ,必要あると認めたときは,意見を述べなければならない。
2
監事は,役員の職務執行に監査上問題があると認めた場合には,これを役員会に報告しなければならない。
3
監事は,役員会に前項の報告をするため,必要あると認めたときは,役員会の招集を請求しなければならない。
また,請求後,一定期間内に招集の通知が発せられない場合は,自らが招集することができる。
4
監事は,役員会議事録の記載内容を確かめ,出席した監事は,署名又は記名捺印しなければならない。
(重要な会議等への出席)
第17条
監事は,重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するため,役員会のほか,経営協議会,教育研究評議会,その他の重要な会議又は委員会に出席することができ,必要あると認めたときは,意見を述べることができる。
2
前項の会議に出席しない場合には,監事は,付議事項についての説明を受け,関係資料を閲覧することができる。
(学長との会合)
第18条
監事は,学長と随時に会合をもち,学長の方針を確かめるとともに,三重大学が対処すべき課題,三重大学を取り巻くリスクのほか,監事監査の環境整備の状況,監査上の重要課題等について意見を交換し,学長の相互認識と信頼関係を深めるよう努めるものとする。
(監事監査の環境整備)
第19条
監事は,役員に対して,次の監事監査の環境整備を含む諸事項について要請を行い,必要に応じて確認をとるものとする。
(1)
監査の重要性と有用性に対する役員の認識及び理解
(2)
監事の職務遂行を補助する体制の整備に関する事項
(3)
学長並びに理事及び職員が監事に対して報告すべき事項
(4)
内部監査部門等との連係に関する事項
(5)
内部統制システムの整備に関する事項
(6)
その他,監事の円滑な監査活動の保障に関する事項
(役員から監事への報告)
第20条
役員は,三重大学に著しい損害を及ぼすおそれがある事実を発見したときには,これを直ちに監事に報告しなければならない。
2
前項に定めるもののほか,あらかじめ理事と協議して定めた監事に対する報告事項について実効的かつ機動的な報告がなされるよう,監事は,学内規則の制定その他の学内体制の整備を学長に求めなければならない。
(内部監査部門等との連係)
第21条
監事は,三重大学の業務及び財産の状況の調査その他の監査職務の遂行に当たり,内部監査部門等と緊密な連係を保ち,効率的な監査を実施するよう努めなければならない。
2
監事は,内部監査部門等に対して,内部統制システムにかかわる状況とその監査結果の報告を求めるものとする。
3
監事は,必要に応じ,内部監査部門等に対して調査を求めることができる。
(書類等の調査・閲覧)
第22条
監事は,三重大学が国立大学法人法又は準用通則法の規定による認可,承認,認定及び届出に係る書類並びに報告書その他の文部科学省令で定める書類を文部科学大臣に提出しようとするときは,これらの書類を事前に調査しなければならない。
2
監事は,主要な原義書その他業務執行に関する重要な書類を閲覧できるものとし,必要があると認めたときは,理事又は職員に対しその説明を求め,又は意見を述べなければならない。
(情報開示体制の監査)
第23条
監事は,開示される情報の透明性と信頼性を確保するために,理事が適切な情報作成及び情報開示の体制を構築し,明確な情報開示基準を制定し運用しているかを監視し検証しなければならない。
2
監事は,大学継続の前提に係る事象又は状況,重大な事故又は災害,重大な係争事件等,大学の健全性に重大な影響のある事項について,理事が情報開示を適時適切な方法により,かつ,十分に行っているかを監視し検証しなければならない。
(学長並びに理事及び職員に対する調査等)
第24条
監事は,学長,理事及び職員に対し事務及び事業の報告を求め,又は大学の業務及び財産の状況を調査するものとする。
2
監事は,必要に応じ,ヒアリング,往査その他の方法により調査を実施し,十分に事実を確かめ,監査意見を形成する上での合理的根拠を求めなければならない。
(財産の調査)
第25条
監事は,重要な財産の取得,保有及び処分の状況について調査しなければならない。
2
監事は,役員が三重大学の資産及び負債を適切に管理しているかを調査しなければならない。
3
監事は,大学財産の実質価値の把握に努めるよう心掛ける。
(監査への協力)
第26条
役員及び職員は,監事及び監査に関する業務の支援に従事する職員が行う監査業務に協力しなければならない。
(会計監査人との連係)
第27条
監事は,会計監査人と定期的に会合をもつなど,緊密な連係を保ち,積極的に意見及び情報の交換を行い,効率的な監査を実施するよう努めなければならない。
2
監事は,会計監査人から監査計画の概要を受領し,会計監査人が把握した内部統制システムの状況,リスクの評価及び監査重点項目等について説明を受け,意見交換を行わなければならない。
3
監事は,必要に応じて会計監査人の往査及び監査講評に立ち会うほか,会計監査人に対し監査の実施経過について,適宜報告を求めることができる。
4
会計監査人から役員の職務遂行に関して不正の行為又は法令に違反する重大な事実がある旨の報告を監事が受けた場合には,監事は,調査の上,必要な措置を講じなければならない。
第7章 監事が三重大学を代表する場合の対応
(役員と三重大学間の訴えの代表)
第28条
監事は,三重大学が役員に対し又は役員が三重大学に対し訴えを提起する場合には,三重大学を代表しなければならない。
第8章 監査の報告
(監査内容等の説明)
第29条
監事は,監査活動及び監査結果に対する透明性と信頼性を確保するため,自らの職務遂行の状況や監査の内容を必要に応じて説明しなければならない。
(監査経過等の記録)
第30条
監事は,
実施した監査について,監査方法及び監査結果並びにその監査意見の形成に至った過程及び理由等を記録するものとする。
(学長及び役員会への報告)
第31条
監事は,監査の実施状況及びその結果について,随時役員に報告する。
2
監事は,その期の重点監査項目に関する監査及び特別に実施した調査等の経過及び結果を学長及び役員会に報告し,必要あると認めたときは,助言又は勧告を行うほか,状況に応じ適切な措置を講じなければならない。
(監査報告書の作成・提出)
第32条
監事は,業務及び会計の監査結果について,監査報告書を作成し,学長に提出するものとする。
2
監事は,役員から事業報告書その他の書類を受領するに当たり,必要に応じ役員に対し説明を求め,又は意見を述べなければならない。
3
監事は,監査報告書を作成するに当たり,役員の法令違反行為及び後発事象の有無等を確認するとともに,第23条第2項に掲げる事項にも留意の上,監事として監査報告書に記載すべき事項があるかを検討し,異なる意見がある場合には,その監事の意見を記載しなければならない。
(改善等の指示)
第33条
学長は,前条の監査報告書により,改善等を必要とする事項があると認めた場合は,その事項を所掌する理事等に対し業務の改善等を指示するものとする。
(改善指示に対する報告)
第34条
前条の規定により,業務の改善等を指示された理事等は,実施した措置の具体的な内容,再発防止策等について学長及び監事に報告しなければならない。
附 則
この規程は,平成16年4月16日から施行し,平成16年4月1日から適用する。
附 則(平成17年9月27日規程)
この規程は,平成17年9月27日から施行し,平成17年4月1日から適用する。
附 則(平成18年5月18日規程)
この規程は,平成18年5月18日から施行し,平成18年4月1日から適用する。
附 則(平成27年3月26日規程第9号)
この規程は,平成27年4月1日から施行する。
附 則(令和4年3月24日規程第9号)
この規程は,令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和7年3月26日規程第9号)
この規程は,令和7年4月1日から施行する。