○国立大学法人三重大学における公益通報者の保護等に関する規程
(令和5年3月28日規程第899号)
改正
令和5年5月16日規程第899号
令和7年3月26日規程第899号
(目的)
第1条 この規程は,公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)に基づき,国立大学法人三重大学(以下「本学」という。)における公益通報及び公益通報に係る相談(以下「公益通報等」という。)の適正な処理の仕組みを定めることにより,法令違反行為の早期発見及び是正を図るとともに,公益通報者を保護することを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 役員 国立大学法人三重大学学則第15条第1号に規定する者をいう。
(2) 職員 本学に雇用されているすべての者をいう。
(3) 公益通報 役員,職員及び本学の学生並びに本学に派遣労働者として派遣されている者,本学の取引業者(請負契約その他の契約で継続的な取引を行う業者をいう。)の労働者及びその他の学外者が,不正の利益を得る目的,他人に損害を与える目的その他不正の目的ではなく,本学又は本学の役員若しくは職員について通報対象事実が生じ,又はまさに生じようとしている旨を通報することをいう。
(4) 公益通報者 公益通報を行った者をいう。
(5) 被通報者 通報対象事実となる行為を行い,又は行おうとしているとして,公益通報された役員及び職員をいう。
(6) 通報対象事実 次に掲げる事実をいう。
イ 法及び法別表に掲げる法律(これらの法律に基づく命令を含む。ロにおいて同じ。)に規定する犯罪行為の事実又は過料の理由とされている事実
ロ 法別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することがイに掲げる事実となる場合における当該処分の理由とされている事実(当該処分の理由とされている事実が同表に掲げる法律の規定に基づく他の処分に違反し,又は勧告等に従わない事実である場合における当該他の処分又は勧告等の理由とされている事実を含む。)
ハ その他本学の規則等に違反し,又は違反するおそれのある行為の事実
(7) 公益通報に係る相談 公益通報の処理の仕組み,通報対象事実に該当するかの確認等に関する質問及び相談をいう。
(8) 公益通報対応業務 公益通報を受け,当該公益通報に係る通報対象事実を調査するとともに,その是正に必要な措置をとる業務をいう。
(通報相談窓口)
第3条 本学における公益通報等に対応するため,学内及び学外に公益通報相談窓口(以下「通報相談窓口」という。)を置く。
2 学内窓口は,企画総務部総務チーム法務・コンプライアンス室(以下「法務・コンプライアンス室」という。)に置き,学外窓口は,弁護士事務所に置く。
3 通報相談窓口へ公益通報等を行う者は,原則として氏名及び連絡先を明らかにするものとする。ただし,匿名による通報にあっては,匿名とする相当の理由があると認められる場合は受け付けることがある。
4 通報相談窓口に関し必要な事項は,別に定める。
(通報を行う者の責務)
第4条 公益通報は,本学の運営の適正化に資するために行われるものであり,誹謗中傷,私怨,私利私欲その他の不正な意図又は感情によって行ってはならない。
2 公益通報を行う者は,通報対象者の氏名及び所属並びに通報に係る事実の発生日時,場所及び内容をできる限りわかりやすく通報しなければならない。
(公益通報者保護責任者)
第5条 本学に,公益通報者の保護に関する業務を統括するため,公益通報者保護責任者を置き,学長をもって充てる。
(通報処理責任者)
第6条 本学に,個別の公益通報等を適正に処理するため,通報処理責任者を置き,国立大学法人三重大学におけるコンプライアンスの推進に関する規程第7条に規定するコンプライアンス総括責任者をもって充てる。
2 前項の規定かかわらず,本学の役員が当該公益通報に係る通報対象事実に関係する場合には,通報処理責任者は監事をもって充てる。
(公益通報対応業務従事者)
第7条 本学に,公益通報対応業務を行い,当該業務に関して公益通報者を特定させる事項を伝達される者として,公益通報の都度,公益通報対応業務従事者(以下「従事者」という。)を置き,次に掲げる者をもって充てる。
(1) 公益通報者保護責任者
(2) 通報処理責任者
(3) 監事
(4) 企画総務部長
(5) 総務課長
(6) 法務・コンプライアンス室長
(7) 通報相談窓口の担当者
(8) その他通報処理責任者が指名する役員及び職員
2 前項の規定にかかわらず,当該公益通報に係る通報対象事実に関係する者は,従事者となることができない。
3 従事者の指定及び指定の解除は,通報処理責任者が書面(電子文書を含む。)により行う。
(公益通報の受付等)
第8条 学内窓口の担当者は,公益通報又は次項の規定により報告を受けたときは,通報処理責任者に速やかに報告する。
2 学外窓口の担当者は,公益通報を受けたときは,学内窓口の担当者にその内容を報告するものとする。この場合において,学外窓口の担当者は,公益通報者の同意を得た場合を除き,氏名等を開示してはならない。
3 通報処理責任者は,第1項の報告を受けたときは,公益通報者保護責任者及び監事にその内容を速やかに報告するとともに,正当な理由がある場合を除き,当該公益通報を受理しなければならない。
4 前項の規定にかかわらず,本学の役員(監事を除く。)が当該公益通報に係る通報対象事実に関係する場合において,通報処理責任者が事案の処理を適正に行えないおそれがあると判断したときは,公益通報者保護責任者に報告しないことができる。
5 通報処理責任者は,公益通報を受理した場合はその旨又は不受理とした場合はその旨及びその理由を,速やかに当該公益通報者へ通知しなければならない。ただし,匿名の公益通報により,当該公益通報者と連絡が取れない場合は,この限りでない。
6 学内窓口の担当者は,公益通報に係る相談又は次項の規定により報告を受けたときは,必要に応じてその内容を通報処理責任者に報告する。
7 学外窓口の担当者は,公益通報に係る相談を受けたときは,その内容を学内窓口の担当者に報告する。この場合において,学外窓口の担当者は,相談者の同意を得た場合を除き,氏名等を開示してはならない。
8 通報相談窓口の担当者以外の本学の役員又は職員が公益通報等を受けたときは,速やかに通報相談窓口に連絡し,かつ,当該公益通報者に対し通報相談窓口に対し公益通報等を行うよう助言しなければならない。
(調査)
第9条 通報処理責任者は,前条第3項の規定により公益通報を受理したときは,当該公益通報に係る調査の必要性の検討及び通報対象事実の調査(以下「調査」という。)を実施しなければならない。この場合において,通報処理責任者は,前条第4項に規定する場合を除き,その旨を速やかに公益通報者保護責任者に報告するとともに通報に係る内容の整理及び確認を行い,必要に応じ,コンプライアンス総括責任者として,コンプライアンス委員会,各委員会又は部局等の長に当該事案の処理を依頼するものとする。
2 前項の規定にかかわらず,通報処理責任者は,自ら調査を行う,又は指名する従事者(以下「調査担当者」という。)に調査を行わせることができる。
3 前項の規定により調査担当者が調査を行った場合は,当該調査の結果又は調査の処理状況等について定期的に通報処理責任者へ報告するものとする。
(調査委員会)
第10条 通報処理責任者は,調査を実施するため,事案の内容等に応じ,調査担当者の指名に代えて公益通報調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置することができる。
2 調査委員会の委員は,通報処理責任者の指名する従事者をもって構成する。
3 調査委員会に委員長を置き,通報処理責任者が指名する委員をもって充てる。
4 委員長は調査委員会を主宰し,調査の結果を通報処理責任者に報告する。
5 委員長が必要と認めた場合は,委員会に委員以外の者の出席を求め,その意見を聴くことができる。
(他の学内規則との関係)
第11条 前2条の規定にかかわらず,次の各号に掲げる学内規程の適用を受ける事案については,当該学内規程の定めるところにより処理するものとする。
(1) 国立大学法人三重大学におけるコンプライアンスの推進に関する規程
(2) 国立大学法人三重大学におけるハラスメント等の防止及び対策に関する規程
(3) 国立大学法人三重大学情報公開取扱規程
(4) 三重大学における研究活動の不正行為防止等に関する規程
(5) 国立大学法人三重大学公的研究費不正防止に関する規程
(6) 国立大学法人三重大学知的財産規程
(7) 国立大学法人三重大学利益相反マネジメント規程
(8) 三重大学動物実験取扱規程
(調査の権限及び協力義務)
第12条 調査の対象部局等並びに役員及び職員は,当該調査に際して協力を求められた場合には,当該調査を行う者に対し,積極的に協力しなければならない。
2 役員及び職員は,前項の規定により,調査に協力を求められた場合には,正当な理由なくこれを拒むことはできない。
(是正措置等)
第13条 通報処理責任者は,第9条第3項の調査の結果の報告を受けた場合は,調査の結果を公益通報者保護責任者に報告するものとする。
2 公益通報者保護責任者は,調査の結果,通報対象事実が明らかとなったときは,通報に係る違法行為の停止,違法な状態の回復その他是正に必要な措置(以下「是正措置等」という。)を講じるとともに再発防止のために必要な措置を講じなければならない。
3 公益通報者保護責任者は,前項の是正措置等を不十分と認める場合は,追加の措置を講じることができる。
4 通報処理責任者は,公益通報者保護責任者が公益通報に係る是正措置等を講じたときはその旨を,公益通報に係る通報対象事実が認められないときはその旨を,当該公益通報者へ速やかに通知する。ただし,匿名の通報等により,当該公益通報者と連絡が取れない場合には,この限りでない。
5 公益通報者保護責任者は,必要に応じて,当該調査の結果及び是正措置等の内容を公表するものとする。
6 監事は,第2項の規定による是正措置等を事後に検証するものとする。
(公益通報者等の保護)
第14条 役員及び職員は,通報者が誰であるか,また事実関係の調査に協力した者が誰であるかを探索してはならない。
2 役員及び職員は,公益通報を行ったことを理由として,その者に対して人事,給与及びその他の身分並びに勤務条件等に関していかなる不利益な取扱い(事実行為を含む。以下同じ。)を行ってはならない。
3 通報者は,公益通報を行ったことが理由と思われる不利益な取扱いを受けたときは,学長に申し立てることができる。この場合において,通報者が公益通報を行った後に受けた不利益な取扱いは,他に特段の事由がない限り,当該通報を行ったことを理由としてなされたものと推定する。
4 通報者に関する情報は,非公開とする。
5 第1項から前項までの規定は,公益通報に係る相談を行った者に準用する。
(通報に関する学長の責務)
第15条 学長は,通報者が前条第2項に規定する不利益な取扱いを受けたとき又は受けるおそれがあると認めるときは,その回復又は防止のために必要な措置を講じるものとする。
2 学長は,前項の措置が十分に機能しているかを事後に検証し,不十分と認める場合は追加の措置を講じなければならない。
3 監事は,第1項の規定による措置を事後に検証するものとする。
(公益通報対応業務従事者の義務)
第16条 従事者又は従事者であった者は,正当な理由がなく,その公益通報対応業務に関して知り得た事項であって,公益通報者を特定させるものを漏らしてはならない。
(懲戒)
第17条 学長は,調査の結果,通報対象事実が明らかになったときは,当該違法行為に関与した者に対し,国立大学法人三重大学就業規則等に基づく懲戒等の処分及び告訴等の措置を講じるものとする。
2 学長は,第4条に規定する公益通報を行う者の責務を逸脱した通報者に対し,前項と同様の措置を講じることができる。
3 学長は,役員及び職員並びに従事者及び従事者であった者(現に本学が雇用していない者を除く。)が第14条第1項,同条第2項及び前条に規定する行為を行った場合には,第1項と同様の措置を講じることができる。
(教育及び周知)
第18条 公益通報者保護責任者は,役員,職員及び従事者に対し,公益通報に関する教育及び周知を行うものとする。
2 公益通報者保護責任者は,役員及び職員に対し,通報窓口に寄せられた公益通報に関する運用実績の概要について,公益通報者の保護等に支障がない範囲において開示するものとする。
(被通報者等への配慮)
第19条 通報処理責任者が,第8条第5項及び第13条第4項の規定により公益通報者に通知するとき,及び公益通報者保護責任者が第13条第5項の規定により公表するときは,適正な業務の遂行及び当該公益通報に係る被通報者,調査に協力した者等の秘密,信用,名誉,プライバシー等の保護に支障がないように配慮しなければならない。
(利益相反関係の排除)
第20条 公益通報等の業務に携わる者は,自らに関係する事案の処理に関与してはならない。
(公益通報対応体制の点検・評価)
第21条 公益通報者保護責任者は,公益通報対応体制の定期的な点検・評価を実施し,必要に応じて改善を行う。
(事務)
第22条 公益通報者の保護等に関する事務は,関係部局等の協力を得て企画総務部総務チーム法務・コンプライアンス室において処理する。
(雑則)
第23条 この規程に定めるもののほか,公益通報等の取扱いに関し必要な事項は,別に定める。
附 則
この規程は,令和5年4月1日から施行する。
附 則(令和5年5月16日規程第899号)
この規程は,令和5年5月16日から施行し,令和5年4月1日から適用する。
附 則(令和7年3月26日規程第899号)
この規程は,令和7年4月1日から施行する。