今年度は事業年度4年目になるため、これまでに実施してきた取り組みをより拡充・発展させるとともに、本事業の終了後も自律的に同様の事業を継続するため、三大学共通の懸念事項に協働で取り組む体制を構築する。また、各大学の国際化を推進する組織の強化を連携して行い、三大学連携の国際プログラムを継続的に実施するための基礎力を養う。
全ての大学で日本人学生の海外派遣の拡大を図るため、これまで実施してきたウィークエンドTOEFL講座、夏期・春期集中留学準備講座、海外派遣語学研修、留学積立金制度の構築、海外派遣時の安全・危機管理対策の実施等を引き続き実施する。名古屋大学の海外拠点を活用した学生派遣については、昨年度新規開拓したプログラムを充実させ、海外派遣学生数の大幅な拡大を図る。
また、留学生受入の拡大を引き続き図るため、海外リクルート活動の充実、英語カリキュラムの情報発信と拡充、留学生受け入れ仕組みや危機管理対策の実施等に三大学共同で取り組む。学生を支援する教員職員向けには、三大学連携でFD/SDイベントを開催することにより、教職員の国際対応力をより拡充・向上させる。特に、海外との大学交流イベントやセミナーへの教職員派遣を拡大させるとともに、留学生への支援をより充実させるため、職員向け研修を実施する。
加えて今年度は、国際化対応をより効率的に行うため、文書の英文化データベースの共有を計画し、実施する。また、アジアにおけるグローバル人材育成活動として、東海地区各大学が実施する国際プログラムに関して、大学を超えた学生・教職員の交流を活発化させる。
本事業によって連携体制を強化した各大学の国際化を推進する組織において、増加する留学生に対する受入体制の充実や日本人学生の海外派遣・教育交流を促進させるための取り組みを行う。
平成26年度から新規開拓した名古屋大学の海外事務所を活用した複数の体験学習プログラムを継続的に実施する。ここでは、語学力向上及び国際的視野の獲得を目的とし、大学間で連携した支援の下、三大学の日本人学生が海外研修に参加できる機会を提供する。また、海外拠点を活用したリクルーティングや模擬授業を実施し、連携大学の留学生受入拡大を図る。さらに、学内支援組織による留学生・留学経験学生に対するキャリア支援や、地域と連携した留学生支援を進展させる。
また海外との連携をより拡げるため、現協定校との連携を強化するのに加え、新規協定校の開拓を推進する。例えば、愛知教育大学の新たなカンボジアとのネットワークを活かし、現地でのフィールドワークや教員人材育成、教育支援活動等を行う。
名古屋大学、愛知教育大学及び三重大学のグローバル教育を推進するため、日本人学生の語学力向上を目指した研修や留学生の日本語教育等、引き続き三大学で連携事業として実施する。さらに、各大学が各々行っている国際的な事業や支援に関して、連携可能な分野の拡大を図る。具体的には、英語カリキュラムの共有と拡充、留学積立金制度の構築、海外派遣時の安全・危機管理対策の実施、文書の英文化データベースの共有等の取り組み等、共通の懸案事項に協働で取り組む。
海外イベントやセミナーへの教職員派遣、障害留学生の修学を支援できる教職員を養成するための研修等、教職員向けの研修を積極的に三大学連携で実施し、留学生支援の強化を進める。
当該事業を円滑に推進するため、名古屋大学、愛知教育大学および三重大学に設置した連携部門において、教員及び事務担当者による定期的な連絡会議を開催し、事業の進捗状況の共有及び三大学連携事業にかかる計画立案を行う。
アジア各国に設置した日本法教育研究センターにおいて、日本法情報の発信および現地法情報の収集を行う。カウンターパート大学や現地研究機関との共同研究の推進、学生や教員に対する法学教育活動を実施する。
現在国際交流センターおよび各学部で実施中の海外体験プログラムのうち、今後の拡充に向けた既存プログラムの改善・拡充および新規プログラムの形成を行う。
海外協定校との連携基盤強化のための協議を行う。
また、海外協定校との共同事業を開催することにより、学生の相互交流・異文化理解の促進、大学間の協同教育の機会提供、教職員の相互交流などを促進する。
三大学の事務系職員に対し、大学のグローバル戦略に必要な資質を身につけさせるため、語学研修及び語学研修終了後に、海外協定大学に短期派遣し、海外協定大学の大学運営を実際に調査させる。
英語による講義拡大の一環として、海外協定校から有望な若手・中堅講師を招へいし、特別講義を行うとともに、今後の交流強化について協議を行う。
海外協定大学における日本語教育と、日本における日本語教育は大きく異なる点がある。また、海外協定大学の日本語担当教員においても、日本での教育経験や教育システムなどを知ることは重要である。双方の大学の日本語教育担当教員同士が相互交流し、相手方大学において日本語教育を行う事で、今後の両大学の更なる教育と学術の質の向上を目指す。
海外協定大学との間において、接続学位(コンセクティブディグリープログラム)のシステムを共同開発し、新たな学位取得、共同教育の仕組みを構築し、優秀な学生の獲得、あらたな留学需要の獲得を目指す。
三大学の留学希望がある学生に対し、合宿形式で説明会を開催する。合宿形式とすることにより、海外留学の実例紹介や、留学先情報の細かい案内、留学準備のアドバイス、留学中・留学後の修学アドバイス、海外危機管理説明会、など集中して、あるいは融合させて説明することが出来るため、効果的な説明会となる。
Webサイトを強化し、海外からアクセスしやすくするとともに、効果的かつ機能的なサイト構成に構築し直し、三大学連携事業を含めた国際交流事業の情報を発信していく。
カンボジアの国立機関NIE(国立教育研究所)との連携協定を通して、教育人材育成の支援を行う。NIEの教員を本学へ招へいし、研究指導を半年行いその後本学の修士課程を進学させる。大学院終了後は、NIEに戻り後進の指導を行う。
カンボジアの小学校を中心に、子どもの身体的発育(身長・体重)を測定すること、及び現地の教員への指導を行うことでカンボジアの子どもたちの健康面からの教育支援活動を行う。調査にあたっては、本学教員が引率し、附属学校の養護教諭にも支援を求める。併せて、カンボジア国の擁護教諭要請を視野に入れたワークショップの実施も計画している。支援の補助として、本学だけではなく、名古屋大学及び三重大学の教員にも周知を行い募ることを計画している。
将来教員を目指す学生を中心に、国際的視野に立った学生の意識の醸成及び途上国への国際理解などを目的として、連携大学のアジアにある海外オフィスを活用して現地の小学校等で海外教育実習体験プログラムを準備・計画する。併せて、将来的には海外オフィスの地域の大学(特に教育系大学)と新規の学術交流協定締結を目指すとともに、学生の派遣・受入、研究交流等を通じて三大学との連携強化を図り、もって教育研究面においてアジアとの戦略的関係強化を目指す。