@一進 |
丸型高坏の上に著台と箸一双、匙一枝、四種と呼ばれる四つの調味料すなわち酒・塩・酢・醤が銀製の小さい器に入れられ、並べられている。箸台は『類聚雑要抄』の図では大きな馬頭盤になっているが、今回は小型の箸台を用いる。 |
A二進 |
大盤に載せた高盛の飯。飯の器とその蓋も銀翼である。 |
B三進 |
丸型高坏の上に、中心の二つは汁を入れた汁坏、その周りに魚の蛤や焼き物を載せた皿八枚が並べられている。汁は右が煎汁、左が寒汁、魚は一書上から右周りに鯛・鰭・鯛膾、蒲鉾(サザエの焼き物)・鯛の焼物(平焼き)・鮭の焼物(零餘子焼)・汁膾・鯉の膾である。 |
C四進 |
丸型高坏の中央に別坏(取り皿のこと、分坏は陪膳と呼ばれる給仕係が飯を盛り分ける容器)、その周りに干物を載せた皿四枚が並べられている。干物は、焼烏賊・楚割(鮫のたれ)・千鳥(きじ鳥の焼き物)・蒸あわびである。 |
D五進 |
丸型高坏の上に菓子類八種すなわち季節の果物(真桑瓜、橘=みかん、桃、スモモ)四種、干菓子(干し栗、蓮の実)二種、唐菓子(ぶと、まがり)二種を、皿八枚に盛りつけている。 |
E六進 |
大盤の上に、塩辛やあえものの類を入れた窪坏四つが並ぶ。窪坏物は心太(ところてん)・あわびの塩辛・鯛の塩辛・牡蠣の塩辛である。大盤に載せて運んだ窪圷物は一進の丸型高坏の上に並べられたと推定される。 |
F七進 |
中盤に載せた酒圷。酒を入れた銚子。『類聚雑要抄』には一升納めることのできる銀製の銚子と記されている。しかし、ここでは斎宮跡出土の壺を添えた。 |
G八進 |
中盤に載せた水椀(みずまり)。この水は、この中に飯をよそい、水に浸して、水飯にして食べたとされる。(忠実が東三条殿に移徒した時の様子を彼の日記『殿暦』に記しているが、これによると、この移御の日の公卿らとの宴会の席でも水飯が供せられている。) 水を入れた提。三升の水が入ることが『類聚雑要抄』に記されている。ここでは斎宮跡出土の把手付瓶を添えた。 |