グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

「認知症サミット in Mie」を開催

2016年11月04日

10月14(金)・15日(土)、四日市市において、「認知症サミット in Mie」が、ポスト伊勢志摩サミット関連事業として開催されました。三重大学や日本認知症学会、愛知県にある国立長寿医療研究センターとの共催のもと、実行委員長は医学系研究科神経病態内科学・認知症医療学の冨本秀和教授が務めました。後援組織には、厚生労働省、三重県、四日市市、鈴鹿市、日本医師会、三重県・愛知県・岐阜県の各医師会など、多くの学会、団体に加わっていただきました。当日は、英国総領事館Patrick Bannister氏、前厚生労働大臣で三重県選出の田村憲久衆議院議員、鈴木英敬三重県知事、田中俊之四日市市長が来場され、アジア主要国の認知症対策の中心人物として中国からJianpnig教授、韓国からKim教授、台湾からPai教授をお招きしました。田村議員、鈴木知事は初日のレセプションパーティーでは最後まで在席し、会を盛り上げていただきました。2日間のサミットの成果は「パール宣言」として、発表しました。

20161014.15_ninchisyosamitinMie (1)レセプション・パーティにて。左から、田中四日市市長、田村前厚労大臣・衆議院議員、冨本実行委員長、鈴木三重県知事

開催の経緯とテーマ
2013年にロンドンサミットが開催された際に、当時のキャメロン首相が議長として初回の認知症サミットが同地にて開かれました。認知症は世界が協調して取り組むべき喫緊の課題という危機意識が背景にあります。以来、サミットの際には同じ地で認知症サミットが開催されており、今年5月の伊勢志摩サミットを経て、三重県で認知症サミットが開催されるに至りました。

今回の認知症サミットのテーマは「ものづくり先端技術が支える認知症のひとと地域の共生」です。現在、世界には5,000万人の認知症患者がいますが、2050年には1億3,000万人にまで倍増すると予想されています。中でもアジアでの増加は著しいものです。日本は世界に冠たるものづくりの先進国ですが、そこで培われ開発された技術が必ずしも医療・福祉現場で活かしきれていません。それは、それぞれの現場にいるひとたちが交わる機会が乏しいからです。言い替えると、両者が集い意見を交換することにより、既存の技術がより効果的に現場で活用されるだけでなく、新たなものづくりへの契機になり得ます。このようなことから今回のサミットでは、医学だけでなく、企業や福祉関係さらには患者・家族会にまで広く参加が呼び掛けられました。

サミットの内容
初日の14日は市民に公開され、2日目の15日は関係者のみを対象に開催されました。初日は四日市市文化会館で開催され、基調講演として国内の認知症の医療・研究に携わる重鎮の先生方にお話しいただきました。一般市民の百数十名を含む400名弱の聴衆が集まりました。各講師から認知症の現況について、経済的側面やネットワーク事業、予防のための生活改善、根本治療医薬の開発、早期発見のためのかかりつけ医の重要性について説明がありました。英国総領事館のBannister氏からは、日本の認知症サポーターにならい、英国ではdementia friendsが設置されていること、高齢化先進国として日本の取り組みに全世界が注目していることが述べられました。最後に本学医学系研究科の佐藤正之准教授が、事前に寄せられた市民からの質問に対して返答しました。夜のレセプションには、田村議員、鈴木三重県知事、田中四日市市長をはじめ多くの方々に来ていただき、盛会のうちに終了しました。

2日目は四日市都ホテルに会場を移し、午前中は5つのワークショップに分かれて認知症の様々な問題についてディスカッションが行われました。昼からはポスター発表があり、国内外から23編の発表がありました。ワークショップの内容はそれぞれの座長が総括し、午後に座長報告として発表され、それらの結果も踏まえて大会長の冨本教授から「パール宣言」が世界に向けて発表されました。

20161014.15_ninchisyosamitinMie (4) 20161014.15_ninchisyosamitinMie (3)

20161014.15_ninchisyosamitinMie (2)

本サミットの意義
「認知症サミット in Mie」には2日間合わせて延べ800名余りの方々にご参加いただきました。本サミットの意義として以下が挙げられます。まず、本邦で認知症に関わる医療・福祉・行政・企業のひとたちが一堂に会しディスカッションする場を持てたこと。現場のニーズと企業のノウハウが統合され、新たなものづくりに繋がっていくきっかけとなりました。第2に、アジア各国との意見交換ができたこと。患者数が爆発的に増加するアジアにおいて、協力と協調の必要性が改めて確認されました。第3に、三重県で開催できたこと。三重大学は全国の国立大学で唯一の認知症専門講座を備えており、臨床・研究・地域連携などで成果を収めているが、地方にある故なかなかアピールの機会がありません。本サミットを通して三重県における各団体のさまざまな取り組みが、広く知られることになりました。今回の成果が一時だけの"打ち上げ花火"に終わらず、たとえ種火であったとしても永続する確かな灯びとなっていくことが期待されます。

最新の記事