三重大学 歴史都市研究センター 【認定期間終了】

研究概要

地域貢献を使命とする三重大学では、市民はもとより行政・地元財界と連携しつつ、歴史遺産を活かした都市の活性化・町づくりに学術的側面からバックアップする拠点として「三重大学歴史都市研究センター」を設立しました。
三重県は、かつての伊勢・伊賀・志摩三ヶ国と紀伊の一部からなります。県域内には、古代に伊勢神宮が鎮座し斎宮が設定され、中世には国司大名北畠氏が活躍し、近世には伊勢木綿で富を築いた伊勢商人を輩出するなど、まことに歴史豊かで風光明媚な土地柄です。
三重大学の所在する県都津は、中世においては安濃津として日本三大港湾都市に数えられ、近世の東海地域においては名古屋に次ぐ32万石の大城下町であり、明治22年には横浜市や神戸市などと同時に全国初の市制を施行した有力都市です。私たちは、これまでに蓄積された歴史遺産を活かせば、文化・観光都市として町が再生し活性化するのは間違いないことと確信しています。
当センターでは、津市の町おこしの目玉となる津城の復元と町並整備、観光コースの設定に必要な研究を手始めに、将来的には伊勢市・松阪市・伊賀市・鳥羽市など、三重県全域の歴史都市を研究対象に広げ、地域貢献活動をおこなう所存です。

研究内容の紹介

◆歴史学部門/文化財部門【共同プロジェクト】

藤堂高虎と藤堂藩を中心とする研究

 近年、関係史料の集成が進み藤堂高虎(藤堂藩32万石初代藩主)像は、鮮明になりつつあります。高虎は、徳川家康の参謀として幕藩体制の誕生に重要な役割を果たした武将です(藤田達生『江戸時代の設計者―異能の武将・藤堂高虎―』講談社現代新書)。また藤堂藩の実態についても、研究が格段に進展しています(三重大学歴史研究会編『藤堂藩の研究 論考編』清文堂)。

◆まちづくり部門

歴史都市の景観計画、まちづくりに関する研究

 歴史都市における歴史的・文化的景観保全のために、近年、景観法や歴史まちづくり法が制定されました。三重県内の歴史都市(桑名市・津市・松阪市・伊勢市・亀山市・伊賀市等)においても景観計画や歴史的風致維持向上計画等の策定や運用が始まっており、城下町・門前町・宿場町等としての歴史的基盤、文化財、歴史的・文化的景観を活かした地域再生が期待されています。

◆比較研究部門

国内外の歴史都市に関する研究

 津市においては、高虎のNHK大河ドラマ化に向けた10年近い誘致運動が、地元市民によって展開されています。この背景には、歴史遺産を活用した、まちおこしの切り札としての期待があります。まちづくりは、国内外の都市において、ドラマの利用以外にも様々なかたちで取り組まれています。これら歴史都市についても、比較研究を行います。

センター長

教育学部 教授 藤田 達生

センターの構成・研究体制

運営・管理
センター長  藤田達生(三重大学教育学部教授)
副センター長 山口泰弘(三重大学教育学部教授)
副センター長 浅野 聡(三重大学工学研究科准教授)
事務補佐員(検討中)
歴史学部門:日本史の立場から文献を用いた研究を行う
藤田達生
山田雄司(三重大学人文学部教授)
吉村利男(三重県史編さん専門員・三重大学附属図書館研究開発室 客員教授)
岡野友彦(皇學館大学文学部教授)
藤谷 彰(三重県生活・文化部文化振興室)
斎藤隼人(団体職員)
特任研究員(検討中)
文化財部門:美術史・考古学の立場から文化財・遺跡の研究を行う
山口泰弘
竹田憲治(三重県教育委員会 社会教育・文化財保護室)
伊藤裕偉(三重県埋蔵文化財センター)
まちづくり部門:建築学・都市計画学の立場から
まちづくりについての研究を行う
浅野 聡
木下誠一(三重短期大学准教授)
松島 悠(三重県熊野農林商工環境事務所 総務企画室)
比較研究部門:国内外の他都市による
歴史遺産の活用に関するデータの収集・分析
大坪慶之(三重大学教育学部准教授)
特任研究員(検討中)
センターの構成研究者(氏名、所属、職名)
外部委員を置くことを検討中。

※下記の関係学会と連携しながら、その成果を広く一般市民に還元します。

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