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ワールドカフェ方式を用いた、地域を志向する医学生を含む住民を巻き込んだ医療・保健・福祉分野でのまちづくり体制の構築

【活動の概要】
<背景>
平成24年3月27日に厚生労働省地域保健対策検討会から「今後の地域保健対策のあり方について」の報告書が作成され、今後の地域保健対策のあり方として、「住民個々による自助の支援とともに、地域のソーシャル・キャピタルの活用・醸成を通じた共助支援の重要性」、「保健サービスや福祉サービス等の行政サービスのみならず学校や企業の活動等の地域全体の取組み推進の重要性」が挙げられている。具体的にはソーシャル・キャピタルの核となりうる人材に対し、保健所・市町村保健センター等の行政が知識や技術の獲得を支援し、様々なソーシャル・キャピタルが参画する場(例:健康づくりのための協議会)を設定した上で、その「核」を中心とした住民主体(住民協働)の活動を展開することが望まれる、とされている。三重県でも「美し国おこし・三重」として県を上げての地域づくり活動の推進を行っている。広域でのシステム化された、自立・持続可能で元気な地域づくりを目指した活動であり、平成24-25年度は「人と人との絆づくり」として「つぐむ想い・つながる心」をテーマに「健康・福祉」などの取り組みを行っているグループの活動の連携を推進していくこととなっている。
<本活動の必要性>
健康に関わる医療・保健・福祉の連携は必ずしもうまく行っているとは言えず、住民参加型の健康に関わる地域づくりが進んでいるとは言えない状況にある。「美し国おこし・三重」にも健康に関するパートナーグループの登録は少なく、連携は図られていないのが現状である。
<本活動の目的>
ワールドカフェ形式の住民参加型の話し合いの場、参画する場づくりを、医療・保健・福祉分野で展開したいと考えている。それにより、住民主体の活動を推進し、また他の自治体が行っている活動にはない要素として、医学生を含めた学生をその話し合いに意図的に巻き込むことも活動の目的とした。
<活動内容>
昨年度、本貢献活動でのワールドカフェを2回実施し、ファシリテーターが多数育成できており、活動に非常に協力的な名張市において、平成25年10月に250人規模のワールドカフェを実施する計画を立てている。メンバーとして、名張市市長、名張市住民(地域づくり組織)、医師(三重大学家庭医療学、三重大学 伊賀地域医療学講座、名張市立病院)、医学生(三重大学医学部医学科)、看護学生(三重県立看護大学、名張市立看護専門学校)、名張市「まちの保健室」職員、名張市地域部地域担当監、名張市健康支援室、包括支援センター保健師、同志社大学教員(社会福祉学科)などが第2回までに本活動に巻き込めているが、さらに今年度は幼稚園・保育園教諭、小・中・高校の養護教諭、保健主事、企業の健康管理担当者、医師会所属医師にも参加を呼び掛ける。これらの地域内での関係者を巻き込む体制と同時に、今まで参加の無かった同志社大学(京都)、皇學館大学(伊勢市)の社会福祉学部、三重大学の看護学部、名城大学(名古屋市)・鈴鹿医療大学(鈴鹿市)の薬学部、名古屋大学の心理学部といった、申請者が2月2日に企画運営した多専門職連携教育で関わった大学を中心に参加を呼び掛けることで、外部に開かれた会を運営できると考えている。上記の呼びかけの対象選定は名張市健康支援室と打ち合わせをすでに行い、現在進行中である。その他、津市、亀山市でも同様の活動を広げていく予定である。