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遊休農地を活用した体験農園の開設による食育及び産消連携の推進

事業の概要
本事業は、人文学部法律経済学科の教員と津市渋見町の農家とが共同で実施するもので、渋見町内の遊休農地を活用して、主に近隣の保育園・幼稚園児が農業体験を行う体験農園を開設するものである。本事業の目的は、実際の農業体験を通じて保育園児や幼稚園児に日本の農業や食文化についての理解を深めてもらう(=食育)と同時に、園児と農家、さらには園児の保護者と農家との交流を図ることで、生産者と消費者との連携(産消連携)を促進することにある。
昨年度は、遊休農地のうち5畝(約500㎡) を活用して「ふれあい農園」を整備し、津市内の「さつき保育園」の園児たちを利用者として試行的な取り組みを行った。5月上旬には、生産者の指導のもと、ナス、トマト、サツマイモなどの苗の植え付けを園児たちが行い、その後夏から秋にかけて、随時園児たちによる収穫体験を行った。また、除草作業を保育士たちが手伝う中で、園児たちの泥遊びに必要な土を生産者が提供するなど、農業体験以外での交流も生まれている。今年度は、利用者として新たに近隣の安東幼稚園を加える予定であり、なおいっそうの交流の拡大が期待されるところである。また、本事業が軌道に乗れば、農園の規模は将来的には3反(約3000㎡) まで拡大することが可能であり、体験農園のみならず、園児の保護者や近隣住民との契約栽培や直売など、事業の拡がりが期待できる。
なお、本事業は人文学部社会動態研究センターにおいて2008年度から行っている研究プロジェクト「都市近郊団地における高齢者世帯の日常生活支援-産消連携による農産物直売システムの構築に関する研究」 の成果をふまえたものである。同研究プロジェクトでは、都市近郊農地の有効活用と産消連携の推進をテーマに、津市渋見町の生産者と交流を深め、学習会等を実施してきた。当初は団地住民向けの直売システムの構築を意図していたが、生産者と消費者との交流の乏しさがネックとなっていた。本事業は、人文学部の教員と渋見町の生産者とが産消連携の方策を話し合うなかで出されたアイデアを具体化したものである。

    → 平成23年度活動状況報告書