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「ウエストメジャーリーグ」実施による地域住民の健康づくり活動

 「ウエストメジャーリーグ」とは熊野市役所健康・長寿課が平成19年から取り組み始め、昨年度は伊勢市においても実施された国内でもユニークな健康づくり活動である。循環器疾患の原因となる肥満やメタボリックシンドローム予防を目的とした活動で、北米西(ウエスト)地区における野球のメジャーリーグと、腹囲(ウエスト)を巻尺(メジャー)で測るといった意味を掛け合わせてキャッチコピーが作られている。具体的には市民が楽しく仲間と共に減量に取り組んで行くため3人一組でチームを作り、メジャーリーガーとなる。3~6ヶ月間で目標体重まで理想的に減量を行えた場合、MVP賞の授与などを行う。通常、地域での健康づくり活動は高齢女性の参加率が高いが、ユニークなネーミングにより肥満が気になる壮年期の男性参加率が高く、また完遂率も高いのが特長である。昨年度は身体活動量の増加とエネルギー摂取量の減少により6ヵ月間で体重2.98kg、ウエスト径3.35cmの有意な減少を認め、これらの成果は10月に行われる日本肥満学会(前橋)にて発表の予定である。また、これまでに複数の新聞社から取材を受けており、地域住民が活気づくことや大学の広報としても有効な事業である。

 役割分担としては共同実施者(熊野市役所健康・長寿課保健師小川友香氏)により企画、調整がなされ事業が進んでいく。大学側としてはこれまでの研究成果を活かし、無理な減量とならないようプログラム作成における支援や、開会式や中間測定式において参加者に運動指導などを行っていく。