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教育ファーム推進事業

 大学の社会との連携、地域への貢献の観点から、FSCではこれまで公開講座の実施、SSH、農産物の直販、小学校・幼稚園児の遠足受け入れなどに取り組んできました。この一環として、昨年度は食育推進のための農水省補助事業である「教育ファーム推進事業」に応募・採択され、「五感で感じる」をテーマに小学1から3年生を対象とし、農産物の栽培や加工体験プログラムを12回実施しました。ファームの実施は対象小学生や彼らの親に好評な上、地域住民などからの期待も大きく、各回のプログラムでは、昨年度の「感じる」に加えてあらたに「学び、考える」視点を盛り込むことで、「感じる」から「学び、考える」段階へのステップアップを企図しています。近隣小学校の3から6年生を対象に、イネ、野菜、果樹、茶などの日本人の食生活に関係深い作物の栽培に加え三重県で生産量の多い茶・ミカンの加工などを生産者などの指導のもとに体験させます。各作物の栽培・加工体験にあたっては、日本人の食文化、地域特産品ならびに栄養バランスのなかでの位置づけを専門家が教示します。次の段階として、これらの食材を使った献立を自ら考え、調理実習あるいは給食にします。献立の創案や調理実習は、連携小学校の栄養教諭の指導の下で実施することにより「考えて、作る」を試行します。以上のように、昨年度と今年度の2年間で小学校低学年向けの「感じる」プログラム、および、高学年向けの「学び、考える」プログラムの体系が整うことになります。これらプログラムは、前年度、今年度とも効果測定のアンケートを実施あるいは予定しており、PDCAサイクルで改善できるように仕組まれており、小学生向け食育プログラムの原型として国内各地で機能するものと期待しています。

平成21年度活動報告書