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30_外国人児童生徒の学びの継続を目指す支援活動-キャリア形成につながる大学見学ツアーの実施-(継続2年目)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

三重県における日本語指導が必要な児童生徒数は小学校1,487名,中学校614名であり,在籍率はそれぞれ35%程度となっている。また,日本語指導が必要な児童生徒の国籍に関しても,外国籍児童生徒だけではなく,日本国籍の児童生徒の割合も増える傾向にある(文部科学省平成28年度調査より)。在籍率は全国的にみても非常に高い数値であり,県内においては学校現場,教育委員会,ボランティア団体等を中心に様々な教育支援や取り組みが先駆的に実施されおり,小中学校での教育の充実は目覚ましく,平成29年度高校進学率は94.1%と高い数値となった。しかし,実際には進学高校の選択肢が限られ,進学後の中退者も少なくなく,義務教育終了後の子どもたちの学びの継続性が大きな課題となっている。その背景には,日本語能力,家庭環境,経済面等,様々な要因があると考えられるが,子どもたちが高校卒業後の将来像を描けないため,学びの意欲が維持できないことも大きな要因と考えられる。

そこで,昨年度,上記の活動テーマに基づき,外国人集住都市会議会員都市でもある津市内在住の外国人生徒中学3年生13名を対象に「三重大学ツアー」を実施した(当初は8月に実施予定であったが,台風のため中止となり,大学祭での実施となった)。大学生4名が支援として参加し,構内見学,各学部の特徴のある展示物の見学,学生との交流の時間を設けた。参加後の中学生の感想では,「大学を身近に感じた」「自分も大学入りたい」「魚,勉強した」というコメントがあり,それまではイメージできなかった大学を知るきっかけとなっていた。高校への進学を目標とするのではなく,大学進学,更に,希望する職業までも具体的に考えるきっかけとなり,今後の学習意欲の継続につながる活動となった。平成30年度も津市教育委員会と共同し,ツアーを実施し,中学生のキャリア形成の礎となる機会を提供したい。

2.活動する地域と内容

三重県における日本語指導が必要な児童生徒数は小学校1,487名,中学校614名であり,在籍率はそれぞれ35%程度となっている。また,日本語指導が必要な児童生徒の国籍に関しても,外国籍児童生徒だけではなく,日本国籍の児童生徒の割合も増える傾向にある(文部科学省平成28年度調査より)。在籍率は全国的にみても非常に高い数値であり,県内においては学校現場,教育委員会,ボランティア団体等を中心に様々な教育支援や取り組みが先駆的に実施されおり,小中学校での教育の充実は目覚ましく,平成29年度高校進学率は94.1%と高い数値となった。しかし,実際には進学高校の選択肢が限られ,進学後の中退者も少なくなく,義務教育終了後の子どもたちの学びの継続性が大きな課題となっている。その背景には,日本語能力,家庭環境,経済面等,様々な要因があると考えられるが,子どもたちが高校卒業後の将来像を描けないため,学びの意欲が維持できないことも大きな要因と考えられる。

そこで,昨年度,上記の活動テーマに基づき,外国人集住都市会議会員都市でもある津市内在住の外国人生徒中学3年生13名を対象に「三重大学ツアー」を実施した(当初は8月に実施予定であったが,台風のため中止となり,大学祭での実施となった)。大学生4名が支援として参加し,構内見学,各学部の特徴のある展示物の見学,学生との交流の時間を設けた。参加後の中学生の感想では,「大学を身近に感じた」「自分も大学入りたい」「魚,勉強した」というコメントがあり,それまではイメージできなかった大学を知るきっかけとなっていた。高校への進学を目標とするのではなく,大学進学,更に,希望する職業までも具体的に考えるきっかけとなり,今後の学習意欲の継続につながる活動となった。平成30年度も津市教育委員会と共同し,ツアーを実施し,中学生のキャリア形成の礎となる機会を提供したい。

3.期待される活動成果等

1.でも触れたが,平成29年度のツアー後のコメントでは,これまではおそらく想像すらできなかった大学への進学について述べるなど,高校進学,高校卒業後の選択肢として,大学進学も具体的なイメージとして持つことできており,中学校,高校での学びの意欲の維持につながることが期待できる。また,ツアーには支援者として本学学生も参加しているが,外国人生徒との交流を通し,多文化共生化・グローバル化が進む学校現場や地域において必要とされる国際的視野を広げ,異文化理解能力を培うことにもつながっていた。以上の点より,本活動の成果として,外国人生徒だけでなく,本学学生のキャリア形成の一助となることが期待できる。

平成30年度活動状況報告書