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30_三重県の中大規模木造建築設計者の育成と空き家対策

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

平成22年10月に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され,中大規模木造施設を対象とした工法検討や技術開発が活発化している。しかし建築関連事業者は,中大規模の木造建築に関わる機会がこれまで少なかったことが原因で,木材を提供する森林林業従事者・木材製造流通事業者との適切な情報共有がなされていないことが大きな課題となっている。

そこで本活動では,三重県産材を活用した中大規模建築物の木造・木質化に取り組むために,森林林業・木材製造流通・木造建築に関して理解しておくべき事項を学び,地域の森林資源の有効活用につながる木材利用に関する基礎情報の共有を行う。具体的な設計演習を通して,木造建築物の設計監理の技術とノウハウを身に着ける試み,特に意匠設計と構造設計との協同作業に力点をおきたい。

一方,全国的に空き家対策(中心市街地の空き家率:15%程度)は急務であり,上記育成者と共に,リフォーム等のハード面のみならず,利活用を含めたソフト面にも力を注ぎたい。

2.活動する地域と内容

【中大規模木造建築設計者の育成】
三重県農林水産部森林林業経営課と協力して,県内一級建築士を対象に中大規模木造建築設計者育成講座を開催する予定である。申請者は既に前任地においても実績を有しており,平成29年度は三重県をはじめ関連団体との調整に充て,平成30年度からの継続実施に向け準備は整っている。

【空き家対策】
前任地である島根県においてこれまで5年間余り活動を続けてきており,空き家の改修や,有形登録文化財への登録などを行ってきており実績はある。前任地での活動を継続しつつ,新たに三重県おいてこれまでのノウハウを活かしつつ実態調査を進め,三重県にとって最適な提案を行う予定である。

3.期待される活動成果等

全国的に問題となっている上記課題に対し,地方の一つである三重県から産官学連携プランとして全国に提案でき,国内のトップランナーとして位置づけられるであろう。全国有数の優良木「東濃スギ」・「尾鷲ヒノキ」を有している三重県だからこそ活動成果達成は非常に高い。

平成30年度活動状況報告書