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29_落語をいかした地域活性化の取り組み(継続2年目)

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

2013年から本学の教員を中心にしながら、落語に関する地域貢献事業が行われてきた(津市における芸術文化振興活動の拠点と街づくり、田中綾乃統括)。プロの上方落語の噺家である桂吉坊と協力して、2013年「桂吉坊に聴く芝居噺」2014年「桂吉坊に聞く落語の想像力」2015年「桂吉坊に聞く落語と学び」と3年に渡って、学内での落語会・落語講座が開催された。桂吉坊の端正な落語および催しの中に含まれる本学教員の落語講座と吉坊との対談はアンケートにより高い評価をうけている。また、昨年度より社会連携特任教授に就任した林家菊丸が2015年12月に「林家菊丸 社会連携特任教授就任 特別落語・講演会」を開催した際に田中綾乃が司会をつとめ、講演「上方落語と寄席囃子の魅力」の聞き手の役割を果たした。

これまでは学内に学生・教職員および一般市民を呼び、伝統話芸に関する普及活動を地域貢献事業として行ってきた。しかし学外への発展が地元市民に期待されていることを鑑み、地域貢献の深化をはかるために、NPO法人パフォーミングアーツネットワークみえ(代表理事油田晃)との共同実施を2016年度に計画し実行した。

NPO法人パフォーミングアーツネットワークみえは、三重県文化会館および津市内で公演や街づくりの企画を精力的に実施しており、また落語会を頻繁に実施してきた。とくに林家菊丸と津あけぼの座は縁が深く、染弥時代の2006年から2014年まで「落語の逆襲」全27回を、菊丸を襲名してから2回の「菊丸落語」を実施している。地元に根付いた落語会であるが、これに本学教員らが加わることによって、桂吉坊と本学教員がすでに行った地域貢献事業と同様の効果を上げることができると思われる。

上方落語には伊勢参りを扱った「東の旅」という一群の噺があるなど、三重県自体が非常に落語になじみがある。いろいろな噺の口演や解説が、巧みな話術やお囃子による場面創造の豊かさといった落語特有の魅力を伝えるのはもちろんのこと、三重県の魅力を地域住民に再確認させるきっかけになるものと思われる。

本学教員のプロの噺家および地元NPOとの協力によって、前年度に引き続き地域活性化を目指すことを目的とする。

2.活動内容

プロの噺家(林家菊丸・桂吉坊)による落語の実演および教員との対談・講座の実施。

学内の教室、三翠会館および津あけぼの座を会場に予定している。

3.期待される活動成果等 

   市民・学生に対する日本の伝統話芸に関する知識の啓蒙および地域活性化。

平成29年度活動状況報告書