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29_東紀州サテライトを拠点とした熊野地域の小中高の児童・生徒に対する「木育」プログラムの開発と実施

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

熊野地域は森林率88%,林業・林産業は主要産業のひとつである。低迷する木材価格や担い手不足が深刻化している。管理が十分に行われない森林は生物多様性が減少するだけでなく,土砂災害や獣害の拡大といった深刻な問題の温床となっている。昨年度,実施した東紀州講座では,木本高校や尾鷲高校の子どもたちが,自分たちの住んでいる地域が「森の国」であることをほとんど認知しておらず,スギやヒノキがどんな木なのか,見たこともない,生徒が大半であった。こうした中で,生徒の90%以上は地域外への進学や就職を希望している現実がある。こうした現実の中で,昨年度,熊野地域の若手林業家や林産業者で構成される「林星会」とともに,地域の小学生およびその保護者むけの「木育」講座を実施した。熊野地域の放置された森林,実際の伐採現場などを見せ,また,スギやヒノキに実際に触れる体験の場をつくった。小中高の児童・生徒に対する「木育」は,児童(未来の消費者)および保護者(現在の消費者)への地域材の理解や認識を深め,児童を地域に留め置いたり,Uターン就職の意識づくりにつながり,また,地域での木材購買意識の向上,自然と人間活動の調和を図りながら持続的な地域社会の発展に寄与する人材の育成に有効である。本活動は,木育を通して熊野地域の林業振興・若者を地域に留め置く機能の向上を,東紀州サテライトを拠点にして行うことを目的とする。

2.活動する地域と内容

熊野地域の小中高の児童・生徒を対象とした「木育」プログラムを計画し,地域の「林星会」とともに実践する。熊野地域内の山林において,間伐体験および間伐の役割等に関する講義を補助し,熊野原木市場において木育講義および箸作り体験等を行う。

3.期待される活動成果等 

熊野地域の林業を担う人材の育成,自然と人間の共生を図り地域社会の持続的発展に寄与することができる人材の育成を通した,当該地域の主要産業である林産業の涵養が期待できる。

平成29年度活動状況報告書