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29_三重県の餅文化を活かした地域活性化~三重創生ファンタジスタクラブ「三重餅プロジェクト」~

【活動の概要】

1.本活動の背景,必要性,目的

三重県を代表する観光スポットである「伊勢神宮」は、江戸時代から旅人が「お伊勢参り」と称して訪れた場所であり、その過程で伊勢街道等、多くの街道が発展してきた。街道沿いの茶屋では多様な種類の餅がふるまわれ、餅は旅人の空腹を満たし疲れを癒してきた。現在でもその名残から県内には名物餅を販売する企業が多く存在するが、三重県の餅文化は知名度が低く、その継承が危惧される。

平成27年の全国の菓子世代別購入額を見ると、和菓子購入額の約7割を50代以上が占め、特に20~30代の購入額は低い(全国菓子工業組合連合会HP)。この傾向は三重県でも同様であると予想される。そこで、本事業では少子高齢化に伴う人口減少が進む三重県において、県内餅企業が抱える課題を調査し、餅文化の継承と発展に寄与するための方策を提示することを目的とする。具体的には、若者を中心に餅・餅菓子の消費実態やニーズを調査し、餅に関する基礎的知見を収集するとともに、販路開拓・商品開発等のビジネスモデルの提案を目指す。なお、本事業は申請者が所属する地域人材教育開発機構運営の学生の地域活動団体「三重創生ファンタジスタ」クラブの一環として行う。

2.活動する地域と内容

本事業では、教員とともに学生も主体的に活動に取り組む。学生は文献、新聞等の既存媒体を用いた調べ学習と餅消費に関するアンケート調査から得られた課題等をもとに、3人1グループで県内餅企業へインタビューを行い、解決策を検討する。県内には少なくとも約40の和菓子地場企業があり(三重県菓子工業組合HP)、これらの中から、学生主導で10社を目標にインタビューを行う。また三重県と連携し、県が行う学生向け地域活動支援サイト「ぴたゼミ」を通した情報発信を行い、学内外へ活動の周知を広く行う。

3.期待される活動成果等

本事業を通して、学生は三重創生ファンタジスタが目指す①チャレンジ力、②論理的思考力、③行動力、④チームワーク力を身につけ、地域経済の状況を的確に把握するための手法を会得できる。他方、行政や企業にとっては、若者の餅文化への理解と学生目線での新提案によって売上増・消費量増が期待されるとともに、地域経済の活性化を通じて、県内外へ三重県の餅をアピールする機会となることが予想される。

平成29年度活動状況報告書