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21世紀の人材育成:「生きる力」をはぐくむためのキャリア教育の推進~ESDのためのユネスコスクールとしての取り組み~

三重大学地域貢献事業
    21世紀の人材育成:「生きる力」をはぐくむためのキャリア教育の推進
                                          ~ESDのためのユネスコスクールの取り組み~
                                                             国立大学法人三重大学 特任教授 宮崎冴子

              

 ESD(持続可能な開発のための教育Education for Sustainable Development)は、2002年の持続可能な開発に関する世界首脳会議と同年の第52回国連総会で、日本が提案した「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」が採択され、2007年に「ESDの更なる推進のためにユネスコスクールを充分に活用すべき」とユネスコ総会で決議されました。こうした状況に鑑みて、三重大学は2009年8月にユネスコスクールの認定を受け、翌2月1日にユネスコスクール委員会を発足させました。総合大学の特色を活かして、さまざまなユネスコスクール活動を展開しています。今後は、近隣小・中・高校との連携をさらに促進することが課題です。ESDのコンセプトは、①いのちの尊厳、②つながり、共生、③多様性の尊重、④公正、分かち合い、⑤希望の未来、⑥行動、参加等で、これまでの国際理解教育や開発教育、環境教育、人権教育、平和教育、キャリア教育等を包括する概念となっています。
 メインテーマ「21世紀の人材育成:「生きる力」をはぐくむためのキャリア教育の推進」には、若者の自立を促し、アイデンティティの確立を支援しながら、次代に継続可能な教育を小学校から大学まで系統的に繋げていく意味合いを込めています。キャリア教育とは「生き方教育」であり、①命を大切にする、②他の人を思いやる、③確かな学力と豊かな人間性を備える、④世の中が分業で成り立っていることに感謝の念を深め、「将来の生き方」を考えて進路選択すること等です。
 昨年度は「基礎教育の充実」をテーマに鈴鹿市立飯野小学校・牧田小学校・神戸小学校・神戸中学校・鼓ヶ浦中学校の5校と連携した結果、先生方は積極的に授業改善をされて、児童生徒の学習へのモチベーションが向上したという成果がありました。そして、該当校は2010年3月にユネスコスクールに認定されました。今年度はさらに伊勢市・松阪市の教育委員会や市内の小中学校と連携して活動を行います。実践活動では、日常の生活の中で成果を自覚できるように工夫しますので、「生きる力をはぐくむキャリア教育」「確かな学力と豊かな人間性」「地域遺産・世界遺産教育」の成果は充分に期待できます。

問い合わせ先: miyazaki.saeko@mie-u.ac.jp
関連URL:日本ユネスコ国内委員会HP www.mext.go.jp/unesco
          ユネスコ本部HP http://www.unesco.org/
            三重県鈴鹿市教育委員会HP http://www.city.suzuka.mie.jp/kyoiku/
            三重県伊勢市教育委員会HP http://www.city.ise.mie.jp
            三重県松阪市教育委員会HP http://www.city.matsusaka.mie.jp/kyouiku/index.html