- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

"仕事と家庭が両立できる企業"松浦社長のすばらしい講演の聴衆はわずか
~三重県立総合文化センターシリーズその2~

   10月16日(金)9時から、三重県立総合文化センター(そうぶん)の所属長会議があり、理事長の私が、文化会館、生涯学習センター、男女共同参画センター(フレンテみえ)、施設利用サービスセンターの各センター長さんや総務部長さんから1カ月の活動報告を受けました。

   会議が終わって、10時半から生涯学習センターの2回の会議室で、三重県の多気町にある(株)万協製薬社長の松浦信男さんが講演をされるというので聴きにいきました。厚生労働省委託事業「働きやすい企業普及事業セミナー」の一環として、“「働きやすい企業」にするために仕事と家庭が両立できる企業をつくろう!”というタイトルのお話でした。

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   松浦さんは実は、三重大学の大学院生なのです。三重大学の医学系研究科と、この4月に新しく開講した“地域イノベーション学研究科”には、この地域の元気のいい若手の社長さんたちが10人以上大学院生となって、出入りしているんです。彼らは、大学院生として学び、研究すると同時に、若い学生たちにとっては先生でもあり、松浦さんはそうぶんでの講演が終わったら、午後には三重大の学生たちに講義をすることになっているということでした。

   松浦さんの万協製薬は、主にねり薬を専門に扱っている製薬会社です。阪神大震災で神戸にあった工場が崩壊したので、松浦さんと、専務である奥様の慶子さんたちは、数名で三重県の多気町に新しい工場を建設して移ってこられたとのことです。その後、事業は順調に発展し、今は90名の会社になっています。

   社員の半数以上は女性で、女性の管理職も多く、さまざまな工夫をされ、2008年度には「男女がいきいきと働いている企業」のベストプラクティス賞を三重県知事から受賞されました。また、同時に、三重県経営品質賞の知事賞も受賞されるという、超優良企業なんですね。

   この日のお話では、そんな松浦さんの取り組んでこられた経営の秘けつや哲学を教えていただきましたよ。たとえば、育児休業や育児時短制度、各種の提案制度、気づきのある会議、プチコミ制度、ジョブローテーションと助け合いの仕組み、権限の移譲の仕方などなど。これらは、私も大学の経営や、事業団の経営に携わる者として、大いに参考になりました。

   それにしても、この出席者の少なさにはびっくり。このせちがらいご時世では、ちょっとした企業向けのセミナーでもけっこうなお金を取られるのに、これは無料。皆さん、なんてもったいないことをしているんでしょうね。前回も書きましたが“そうぶん”にはほりだし物がけっこう隠れていますよ。

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   松浦さんたちとは、お昼ごはんをそうぶん内のリズ・カフェで。ここは東洋軒がやっているレストランなので、名物のおいしい“ブラックカレー”をみんなで食べつつ、経営品質改善の話を咲かせました。私が三重大でやってきた業務改善活動や、鈴大でやっている授業の品質改善の取り組みを大いに評価していただき、特に、私が学長退官記念講演で使ったPDCAを上から下までぐるぐる回すことを示したスライドが、経営品質改善の本質を表しているので、ぜひ、使わせて欲しいとおっしゃいました。私が何気なく書いてみた図は、どうもオリジナルらしい。もちろんOKの返事をしましたよ。

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