- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

"演劇ってこんなに楽しかったの"と改めて感じた「どくりつこどもの国」
~三重県立総合文化センターシリーズその1~

 これから、三重県立総合文化センターシリーズを始めたいと思います。授業の改善シリーズも始めたところですが、同時平行で行きます。

 私は今年の7月から、(財)三重県文化振興事業団の理事長を拝命しました。元三重大学長の武村泰男さんの後任です。三重大の内田淳正学長も理事になっています。この事業団は、三重県の外郭団体で、三重県立総合文化センター(以下“そうぶん”と略します)の指定管理者になっています。“指定管理者”というと難しい言葉ですが、そうぶんの建物は三重県のものなのですが、その中にある文化会館、生涯学習センター、男女共同参画センター(フレンテみえ)の管理運営を任されている団体なんですね。指定管理者となるためには、民間の会社といっしょに公募に応募して、審査を受けて指定される必要があるんです。事業団は平成16年から、そうぶんの指定管理者に2回指定され、今年、三度目の応募をして、今審査の結果を待っているところです。実績を上げないと必ずしも指定されるとは限らないので、職員の皆さんも成果をあげようと一生懸命がんばっています。

 文化会館の事業では、館長の梶吉宏さんのご尽力で、小澤征爾さんをはじめとしてレベルの高いミュージシャンが招かれていますね。そのおかげで昨年の平均入場率は90%という、全国の公営の文化会館としては驚異的な実績をあげているんです。

 さて、今日(10月17日)は文化会館小ホールで「どくりつこどもの国」という、こどもとおとなのための音楽劇が催されました。演出は鈴鹿市出身で関西を中心に活躍しておられる岩崎正裕さん。写真の真ん中が岩崎さんで、その隣が事業団の副理事長の池山喜三男さんです。

S20091021_1.jpg S20091021_2.jpg

   演劇の入場者はどうしても少なくなりがちなのですが、予定よりもチケットの販売状況が悪かったので、理事長としては気になって見に行くことにしました。ただし、理事長といえども、ちゃんとチケットを買って入場しましたよ。

S20091021_3.jpg 会場内には約60~70人ほどの子供と大人がいました。もう少し皆さんに来ていただきたいのですが、やっぱりインフルエンザの流行の影響があるかもしれません。ストーリーはこどもたちが、魔法使いと闘いながら、みんながこどものままでいられる「どくりつこどもの国」をめざすというファンタジーですが、いわゆるこども向けを超えた、生と死を考えさせる質の高い演劇になっています。

 演劇は、映画やテレビと違って、会場の観客との直接のコミュニケーションができるということが、大きな特徴の一つだと思います。今回の音楽劇でも、出演者と会場の子供たちとの間の直接のコミュニケーションに、気が配られていました。また、出演者がステージの上で体を張っておこなう大きなあやとりもなかなか考えられていて楽しかったし、テーマソングの「せかいはこどものバイキング」(愛知教育大学准教授橋本剛さん作)も心に残る歌でした。

 また、岩崎さんたちは津市内と鈴鹿市内の小学校でアウトリーチ活動として、小学生の皆さんに演劇のすばらしさを出前授業しておられますよ。

 それにしても、こんなにすばらしい音楽劇が、公的な財政支援もあって手頃な入場料で観ることができるのに、ちょっと少ない観客数とは、とってももったいないですね。そうぶんの催しには、お得な催しがいっぱいあるので、ブログの読者のみなさんもちょっと気をつけてそうぶんのホームページを見ていただくといいと思いますよ。