- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

三重大生のビジネスプランコンテスト挑戦
~日刊工業新聞キャンパスベンチャーグランプリ中部表彰式にて~

 2月3日(火)に名古屋のマリオットホテルで開かれた日刊工業新聞主催キャンパスベンチャーグランプリ中部の表彰式に教育学部長補佐の松岡守さんやアントレプレナー論講師の武田秀一さんと顔を出しました。

 三重大は、ここずっとこのコンテストには応募していなかったのですが、今回は10件のプランを応募し、そのうちの一つが“奨励賞”に選ばれたのです。愛知、岐阜、三重、石川、富山の5県19校から応募があり、応募数は74件だったとのことです。

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 奨励賞をいただいたビジネス・プランは「農業による三重県南部地域活性化を目指す事業体“南三翠”」というもので、医学研究科の「バイオメディカル創業人材プログラム」で教授の西村訓弘さんのもとで学んでいる大村佳之さんと、宇都昌志さんによるものです。“三翠(さんすい)”というのは、三重大生物資源学部の前身の三重高等農林学校のシンボル「空のみどり、樹のみどり、波のみどり」でしたね。

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 このビジネス・プランは、三重県の北部に比べて平均所得の低い南部で、小規模な“片手間農業”をやっている農家の方々に、マネジメントのお手伝いをすることで、少しでも収益を増やしていただこうという取り組みです。具体的には“南三翠”が、新品種の検討や季節ごとの栽培作物選定など高付加価値作物の提案、苗や肥料などの選定、種苗会社や農業研究機関などとの交渉、宣伝の企画、流通・販売ルートの開拓などを行います。最近は農業生産法人が徐々に増えており、我が国の農業改革の新しいシステムとして期待されていますが、“南三翠”は、従来の小規模“片手間農業”の形を生かしながら、農業の生産性向上を目指すビジネス・モデルといえるでしょう。

 このキャンパスベンチャーグランプリ中部は今回が6回目で実行委員長は名古屋商工会議所副会頭でブラザー工業会長安井義博さんが務めておられます。上位3件が全国大会に出場するということで三重大は出場できませんでしたが、次回はさらに磨きをかけて挑戦することいたしましょう。

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  今回の応募では、日刊工業新聞社三重支局長の東畑(とうはた)隆美さんにたいへんお世話になりました。写真は表彰式のあとの交流会で、東畑さんに中部経済産業局長の長尾尚人さんに引き合わせていただいて、中小企業との共同研究数ではトップ3に入る三重大の産学官連携をアピールしているところです。いっしょうけんめいやっていると、いろんなところで皆さんが助けてくれますね。