- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

成果を見てがんばり、その結果良い成果が得られてさらにがんばる好循環
~日本学生弓道女子王座決定戦準優勝おめでとう~

 1月8日は、三重大学全学弓道部女子部に学長表彰。昨年11月24日に伊勢神宮で行われた第32回全日本学生弓道女子王座決定戦で準優勝したことが理由です。この大会は毎年伊勢神宮で行われるので、やっぱり地元の大学が活躍するということはうれしいことですね。全日本学生駅伝はほとんど三重県中を走っているのに、三重県の大学がなかなか出場できないので、いつも残念な思いをしています。

 表彰式には、部員の皆さんはキリッとした弓道着姿で学長室にお越しになりました。そんな皆さんに表彰状をお渡しする私の方もピリッと張りつめた感じになりますね。

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 今回は、東海地区の一部リーグで優勝したことで、5度目の全国大会出場の資格を得ました。全国から集まった10校のトーナメントで、強豪校の立命館を破りましたが、決勝では早稲田と対戦し、3人の選手で36射のうち30中対29中と、惜しくも一本差で準優勝になったとのことです。また、個人賞でも、皆中賞(矢を全部的中させた選手に贈られる賞)が2人、優秀選手賞も1人が受賞したということです。

09010903S.JPG  それほど規模の大きくない地方の国立大学が大規模大学と互角に戦えるようになるには、それなりの“わけ”があるはず。しかも、今回は、3年生までのたった5人の部員でがんばったということです。彼女たちはいったい、どんな努力をしてきたのでしょうか?

 彼女たちの練習は寒い日も暑い日も風や雨が吹き込む練習場で毎日3時間。さらに自主練習を3時間も続けるとのことです。これは、想像しただけでも、かなり厳しい鍛錬ですね。やはり、何事においても、成果を上げるためには、まず人一倍の努力が必要であるということでしょうね。そして、部員間に良好な信頼関係が形作られていることも、このような厳しい練習に耐えることを可能にしている理由のようです。

 また、4年ほど前に東海の2部リーグから1部に昇格しましたが、その時上手な先輩がおられて、その先輩から後輩への指導がきちんと受け継がれてきたことも良かったのだと思います。そして、先輩が良い成績を上げたら、それを目指して後輩も頑張る。また、男子(昨年学長表彰をしました)が良い成績をあげていることも励みになっているということです。つまり、「成果を見てがんばり、その結果良い成果が得られてさらにがんばる」という「好循環」が形成されているようです。部員間の信頼関係も良好ということですので、「目標(成果)にもとづいた組織マネジメント」がうまく機能している例と言えるでしょう。

 ただし、学長としては学業との両立をお願いしました。学長表彰をして万が一留年をするようなことがあれば、表彰が台無しになりますからね。でも、三重大弓道部で鍛えた集中力をもって学業にもあたれば、両立は十分可能だと思います。皆さんには、元気よく両立すると誓っていただきました。

09010904S.JPG  ところで、私は弓道をしないのですが、学生時代に弓道部だった同僚が、一番ゴルフがうまいのです。的をねらうということでは共通の能力が必要なのだろうと思います。やはり、ここ一番という時の集中力は、いろいろなことに応用できますね。弓道部の皆さんには、卒業後の人生においても、弓道で鍛えた集中力をもって、さまざまな困難なことの達成に大いに力を発揮していただきたいと思います。