- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

江蘇大学、南京工業大学、安徽農業大学訪問記(その4)
~三国志の古戦場「合肥」で客員教授として学生に講義~

 南京にて三重大の同窓生から貴重な意見をいただいた翌朝、安徽農業大学から差し向けられた車で一路安徽省の合肥市へ。「合肥」は日本語で「がっぴ」とも「ごうひ」とも呼ばれる安徽省の省都で人口約440万人、最近日本でブームになっている三国志では「合肥の戦い」として出てきます。安徽省は魏の曹操の生まれた地なんですね。

 南京から合肥への高速道路の周囲は、どこまで見わたしても農地がひろがり、まっすぐな道路には中国の広大さを感じさせられます。最近、新幹線も合肥から南京を通って上海まで開通し、約3時間でいけるようになったとのことでした。約3時間のドライブで合肥に到着、副学長の程さんたちの出迎えを受けました。合肥は上海や南京に比べると高層ビルは建っておらず、緑の多い都市のように感じました。市街には自転車や自動二輪車が数多く走っていますが、ナンバープレートのない自動二輪車は、電気で走る原付(げんつき)とのことでした。

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 安徽農業大学のキャンパスに入ると、赤い幕が飾られているなど、前日の80周年記念式典のなごりが残っていました。江沢民の妹さんは安徽農業大学の教授・総長を務められたOBで、昨日の式典にも来賓として挨拶されたとのことでした。

 

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 大学本部で、三重大学生物資源学部との学部間交流協定の締結式が行われました。また、私どもに客員教授の称号が授与されました。学長の宛さんは、お茶の研究でたいへん有名な先生で、日本にも静岡など何回か訪問したことがあるとのことでした。学生交流、研究交流の促進の話とともに、ここでも、日本語コースがあって60人の学生が日本語を学んでいること、ダブルディグリーを望むことなどが話題となりました。

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 岐阜大学に留学されたことのある張剣韻さんという女性に日本語の通訳をしていただきましたが、ダブルディグリーは中国の学生に人気があり、また、富裕層も増えているので、仕送りが年10万元(日本円で約150万円)くらいですむなら、じゅうぶん学生が集まるだろう、ということでした。

 交流協定の締結式の次は、さっそく客員教授としての学生たち相手の講義です。江沢民の妹さんが建てたという教室で、生物資源学部教授の王先生に通訳をしていただき、「グローバル化社会の教育戦略」というテーマで話をしました。これは天津師範大学でもしゃべった内容です。

 まず、中部空港で買ってきた「マンガ三国志」を学生さんの前で見せつつ、今日本では「三国志」が人気で、曹操の生まれた地であり合肥の戦いで有名なこの地に来ることができてうれしい旨を説明すると、拍手が巻き起こりました。学生たちは、日本の企業の留学生採用率が最近急速に増えているテータと、三重大学と天津師範大学の日本語教育コースのダブルディグリーの説明には、たいへん興味を示したようでした。

 私の講義のあとは、生物資源学部教授の王さんの番で、彼が研究しているバイオエネルギーや農業機械について中国語で講義しました。

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 さて夕食は、もちろん、丸いテーブルにいろいろな料理を並べてみんなでとって食べる中国式で、これで3晩目となります。2日間「バイチュー」をけっこうな量飲み続けてきましたが、さすがにこの日は飲めなくなり、ワインにしました。

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