- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

"人生の達人藤堂高虎"で日本を盛り上げよう。
~ぜひNHKの大河ドラマに採用を!~

    4月26日午前に藤堂高虎公入府400周年記念事業のオープニングセレモニー(津市センターパレスホール)に、実行委員会の委員として参加しました。「入府」というあまり聞きなれない言葉がでてきますが、「府」とは「政庁」や「地区」といった意味で、徳川家康が江戸に入ったことを「江戸入府」ということは皆さんご存じだと思います。藤堂高虎は今から400年前の1608年に津に入府したのです。

   たいへん勇壮な津・高虎太鼓の皆さんの演奏から始まり、次はよろいかぶとに身を包んだ“藤堂高虎”が家来を引き連れて入場し、津市長の松田さんに、今回作られた津市の総合計画書を手渡して、市民のための貢献を命じるという“寸劇”が披露されました。高虎は身長が190cmもあったと伝えられ、市長の松田さんにお伺いしたところ、高虎役は市役所でいちばん大きな職員さんに頼まれたということでした。

高虎1.jpg 高虎2.JPG 高虎3.JPG    市長の松田さんや来賓のあいさつのあと、高虎にゆかりのある全国の市町の市長さんや町長さんが、それぞれの地域の紹介をされました。高虎の出生地滋賀県甲良町をはじめ、大和郡山市、紀の川市、宇和島市、大洲市、今治市、伊賀市、篠山市、日光市、名張市とずいぶんたくさんのゆかりの地があるんですね。高虎という人物を通して、多くの市町の交流が盛んになることは、とてもすばらしいことだと感じました。 

   近くのフェニックス通りでは、車両を通行止めにして「高虎楽座」が催され、高虎ゆかりの地域の方々のステージやイベント、物産販売、フリーマーケットが設けられ、大勢の人でにぎわいました。もちろん三重大学応援団もひと役かいましたよ。

高虎4.JPG     さて、午後から、歴史家で作家の加来耕三さんによる「人生の達人 藤堂高虎に学ぶまちつくり」という記念講演会がありました。藤堂高虎は単に戦場で先頭に立って功績をあげただけではなく、命じられたことはなんでも、たとえば会計や築城術までりっぱにこなしたこと、主君を何度も変えているが、それは、日和見(ひよりみ)ということではなく、自分の能力を発揮できる主君に仕えたということなど、高虎の人生の達人ぶりをわかりやすく説明していただきました。

   今、藤堂高虎をNHKの大河ドラマに取り上げていただこうという運動を、“高虎会”をはじめ、地元の方々や知事さん市長さんあげてやっているのですが、加来さんには大河ドラマに選ばれるためには、どのような条件をクリアしなければならないか、裏話も含めて聞かせていただきました。

   昨年と今年の入学式では、私も藤堂高虎を新入生に紹介させていただきました。NHKに出演されたことのある三重大教育学部教授の藤田達生さんは「江戸時代の設計者―異能の武将・藤堂高虎」(講談社現代新書)という本を書いておられ、高虎が再評価されるべきことを学術的にも裏付けておられます。もちろんこの記念事業にも大いに活躍をしていただいています。このように三重大も高虎の記念事業に協力して大いに地域を盛り上げたいと思っているのですが、実は高虎は、徳川の2代将軍秀忠や3代将軍家光の教育者でもあり、全国レベルで天下に影響を与えた人なんですね。

   このブログを読まれたNHKの皆さん、この地域のためにとどまらず、日本全体を盛り上げるために、ぜひとも藤堂高虎を大河ドラマに採用していただきますようお願いいたします。