- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

マスコミとの付き合い方
~いっそうの情報公開による信頼関係の構築を~

   1月29日、学長と記者との懇談会を開きました。学長と理事5人が今までの取り組みや、これからの取り組みを説明し、記者さんからの質問に応じました。このような学長とマスコミとの懇談会は、すでにいくつかの大学で行われていますが、本学としては今回が初めてです。ほかに大きなできごとがあると集まりが悪くなるのですが、幸いこの日は大きなニュースもなく、この地方としては非常に多い9社の記者さんに来ていただくことができました。

kisha1-1.jpg    さて、これまでの大学のマスコミとの付き合い方は、好ましくない出来事に関する記事から大学をいかにガードするかという守りの姿勢だったと思います。しかし、それでは、お互いに不信感が生じ、かえって誤解を招く記事が出ることにもつながったように思います。むしろ、もし不祥事があった場合は自ら情報を公開し、積極的にマスコミとの意思疎通を図るべきではないか、と思うようになりました。

   このことを実感したのは、昨年、政府諸会議で地方大学の交付金を半減させる試算が公表され、緊急記者会見を開いた時でした。三重大学が「地域に根ざし世界に誇れる独自性」をミッションにかかげて、文字通り地域に貢献しようとがんばっている姿を、マスコミから地域の皆さんに伝えていただき、大学をもっともっと地域の皆さんが身近に感じる存在にしないといけないと強く感じました。

kisha10-1.JPG    ところで、しばらく前に、過去の好ましくない出来事に関する新聞記事のコピーとともに、三重大学はけしからん大学だ、というお叱りの投書をいただいたことがあります。大学に至らない点があったことについてはほんとうに申し訳なく思っています。しかし、本学では、基準にしたがって自ら公表していることもご理解いただきたいと思います。法人化後、企業出身のかたに大学経営を指導していただいているのですが、企業では表に出さないようなことでも、自ら公表する姿勢については、びっくりしておられました。

   今、商品偽装事件がたて続けに表に出て、企業に対する信頼感が大きく揺らいでいます。もちろん不祥事はあってはいけないことですが、ふだんから正直に公表しているという点については、三重大学を信頼していただいてよいのではないかと思っています。

kisha6-1.JPG     このような企業や組織に対する信頼が大きく揺らいでいる時こそ、マスコミとのコミュニケーションをもっと深め、不備な点があれば自ら公表して大事に至る前に対策をとり、そのかわり良い取り組みを何倍も多く地域の人々に伝達していただけるようなマスコミとの信頼関係を築きたいと思っています。