- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

入試の"品質管理"
~平成20年度センター試験無事終了~

   1月19日、20日の二日間、平成20年度大学入試センター試験があり、私も大学に終日詰めていました。三重県の志願者は約7千4百人で、そのうち三重大学が担当する志願者は約3千9百人でした。全国のセンター試験の志願者数は、03年の約60万3千人をピークにして減り続け、今回は約54万6千人となり、約1割減ったことになります。いよいよ少子化の影響を深刻に受ける状況になってきたのですね。

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   正門の周辺では三重県内の高校の方々が、のぼりを立てて受験生を励ましておられました。私が受験したのはもう40年近く前で、その頃センター試験はなかったのですが、自分の受験の時の情景がついこの前のように甦ってきます。

   さて、一昨年から話題になっている英語のリスニング試験のトラブルですが、今年は、三重大学では、機械を落としたために再テストを受けた受験生が一人あっただけでした。全国的には再テストを受けた受験生は、06年457人、07年381人、08年175人と年々減っており、今回は0.037%、約2700人に一人が再テストを受けたことになります。この中には機械の不具合によるものと、操作方法のミスによるものがあります。

   「リスニングまた不調」などの見出しで、機械の不具合を指摘している新聞も多いのですが、大きなトラブルはなかったとする論調の新聞も見られました。このトラブル率が、高いのか低いのか、私にはよくわからないのですが、いずれにせよ、機械の製造を引き受けているメーカーは、その不良率が国民の厳しい目に直接さらされているわけです。トラブルを0にすることは不可能であると思いますが、日本メーカーの品質管理の名誉にかけて、いっそう0に近づけていただきたいと思います。そうすれば、逆に、このメーカーの評価は非常に高まることになるでしょう。  

nyushi2-6.jpg    入試を実施する大学としても、トラブルやミスを極力少なくしようと、また、何か起こった時に的確に対処できるように、多くの教職員を動員し、緊張感をもって一生懸命“品質管理”をやっているつもりです。私も学長になる前に長年試験監督をいたしましたが、一日中試験監督をするのは、足もむくんできますし、精神的にも肉体的にもけっこうたいへんな仕事なのですよ。

   でも、もちろん受験生の緊張感やストレスの方が、はるかに大きいわけです。その大きなストレスを乗り越えてがんばった受験生の皆さんの人生の夢がかないますよう、心からお祈りしています。

   (19日、20日の休日にセンター試験の業務を行っていただきました三重大学教職員の皆さん、お疲れさま。大きなトラブルなく終了できたことを心から感謝しています。)