子どもたちの学力向上に結びつけることができるか?
~青少年のための科学の祭典・三重大学大会~
12月1日、2日「青少年のための科学の祭典・三重大学大会」が三重大学講堂で開催されました。この祭典は、子どもたちに科学のおもしろさを体験してもらおうと92年に東京などで始まり、その後全国で開催されるようになりました。三重大会は99年に始まり、04年から県下の4ヶ所に拡大され、今年は亀山大会、紀北大会、名張大会、三重大学大会が開催されました。
今回も、熱心な三重大学の先生がた、学校の先生がた、電力会社の方々、学生さんたちがボランティアで集まり、子ども達の興味をそそる34のブースを用意していただきました。2日間で2700人が入場し、先生がたが一生懸命工夫して準備をしたブースはひっきりなしのにぎわいでした。
また、今回初めての試みとしてサイエンスショーが行われ、7人の先生がたが担当され、そのうち神奈川県の長嶋 淳先生、福井県の月僧秀弥先生のお二人は全国的にも有名な先生ですが、県内の5人の先生がたは今回がデビューということでした。
私は1日目の3つのショーを拝見しました。紀北町立潮南中学校校長の二村直司さんのショーは、ご専門の石を使った実験などなかなか味のあるもので、「なぜ」と疑問をいだくことと、それを調べて「なるほど」と納得することが大切であるという先生の思いを伝えていただきました。鈴鹿市立鈴峰中学校教頭の須川幸弘さんと4人の先生がたには、たぬきのぬいぐるみに身をつつんで、とっても楽しいクイズショーをしていただきました。長嶋さんは、ゴム風船を使った実験やボーリングの球を空気の力で持ち上げるという実験をされ、全国で高く評価されているだけあって、すばらしいショーでした。3つのショーとも、先生の呼びかけに子ども達は積極的に参加しました。
サイエンスショーは初めて出会った子ども達の興味を引き付けて、また、いたずらもしかねない子ども達をうまく統率する必要があり、まさに「教師力」の見せ所であると感じました。子ども達と同時に、もっと多くの先生がたにも見ていただきたいなと思いました。
最近ちょっと気になることは、日本の子どもたちの数学や理科の学力の国際順位が低下していることです。科学の祭典は、子どもたちにすごく喜んでもらっているし、科学のおもしろさに触れることのできるすばらしい機会ですが、どうして学力が下がっていくんでしょうかね。もちろん理科の授業時間が相当減っていることの影響がでているものだと思いますが、祭典に参加するだけでなく、もっとふだんの学習に結びつけないといけないのかな?
子どもたちへ。科学の祭典をきっかけにして、ふだんの学習もがんばろう。
(科学の祭典は趣旨に賛同していただいた多くの熱心な先生がたや学生さんのボランティアと、子どもゆめ基金、電気事業連合会、企業各社の協賛で成り立っています。この場を借りて、心から感謝を申し上げます。)