- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

「学びたい」「学びたい」「学ばれたい」
~三重大学教育学部附属中学校創立60周年記念祝賀会~

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   11月24日、三重大学教育学部附属中学校の60周年の記念祝賀会がありました。「附属中学校の現在、過去、未来」というパネル討論では、山根栄次校長が司会をし、野呂昭彦三重県知事、「ドン小西」こと小西良幸氏、と私の3人が登壇することになっていましたが、ドイツから帰国するはずの野呂知事の飛行機が4時間遅れて定刻に間に合わない事態になり、急遽、野呂知事の奥様と井村正勝氏(井村屋製菓相談役)が代役として登壇されることになりました。(パネリストは全員附属中学校出身です。)

    まず、パネラーそれぞれが、現在の医学部あたりにあった校舎へ国道23号線から田んぼの一本道をかよったことや、恩師の先生のおかげで現在の自分たちがあること、クラブ活動の話など、思い出ばなしを紹介し、次に今後の附属中学校に期待することを述べるという形で進みました。 

fuchu-2-2.jpg    "どん小西"は、テレビに出演する時と同じように、歯に衣を着せない発言で会場の笑いを誘いつつ、同時に、生徒の個性や創造力を育む教育の必要性について的をついた意見を述べていくので、同級生ながら、さすがだなと思いました。また、山根校長が実施をした、生徒に投資の仕組みを自ら考えさせる起業家精神涵養教育の試みを褒めていました。

 私は、附属学校は、たとえ評価がまだ定まっていなくても、新しいタイプの教育を実験校として思い切ってやってみることが大切であり、たとえば、三重大学でも実践している、グループで共同し、生徒自ら学習して問題を解決しプロジェクトを完成させる教育(PBL)を徹底してやってはどうかと提案しました。

    パネルの最後に間にあった知事は、生徒中心の学校運営をしてはどうかと提案されました。特に綿密な打合せをしていないのに、不思議にそれぞれのパネリストの話のつながりができて最後は知事の言葉に収束し、また、前日の附属学校の研究発表会で講演した東京大学教育学部の佐藤学教授が主張している「学びの共同体」の考え方とも呼応するものになりました。

 さて、パネルのあと、津市出身のフォークデュオ「うたまろ」の二人の公演がありました。ちなみに司会をしていただいたZTVの高橋美帆さんも附属の出身です。
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   私が一番印象に残った歌はチョコレートの歌でした。たいへん楽しい、ノリのいい歌で、「チョコレートを食べたい」「チョコレートを食べたい」「チョコレートに食べられたい」というフレーズが気に入りました。これはきっとヒットすると思いますよ。

   私は懇親会の席で「うたまろ」の二人に元気付けられたことを感謝し、チョコレートの歌のように「学びたい」「学びたい」「学ばれたい」と生徒が思ってくれる教育、つまり生徒が自ら学び、また生徒どうしで教えあう教育を提供しようと挨拶しました。