- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

ミャンマーの小学校教育が日本よりも優れた点は?

th071031ミャンマー教師2IMG_2469.JPG   10月20日~11月1日、JICAの青年研修事業としてミャンマーの若い小学校教師の方々が三重県を訪問されました。NPO法人「ミャンマーの友情の架け橋」が受け入れ組織となり、松阪市立射和小学校で研修された後、10月31日に、同法人理事長の上村眞由さんらと共に三重大学を訪問されました。情報国際交流担当理事の小林副学長に同席いただき、25名のミャンマーの先生方と会議室で懇談しました。

 ミャンマーの皆さんには、日本の教育の良いところを取り入れ、また、日本もミャンマーの教育の良いところを取り入れ、共にお互いの教育を高めていけることを期待していると述べ、松阪での研修で皆さんが感じたこと、日本の教育がミャンマーよりも良いと思う点、逆にミャンマーの教育が日本よりも良いと思う点は何か?と問いかけました。

 ミャンマーの先生方が日本の教育の良い点としてあげたことは、先生と生徒が楽しく学習をしている点、特に給食はミャンマーにはなく、先生と生徒がいっしょに楽しく昼食をとることはすばらしいこと、また、コンピュータ等の教育機材が充実していること等を挙げられました。

 一方、ミャンマーの良い点としては、生徒が先生や目上の人を敬う気持ちを持っていること、そして、小学校から英語を教えていることを指摘されました。この二つの点は、私も同感であることを答えさせていただきました。特に、日本の小学校の英語教育については、中央教育審議会が推進する必要性を述べているが、反対する専門家の声が強く、なかなか実現できないでいること、また、中国や韓国も小学校からの英語教育に力を入れており、アジアの国々の中で日本だけが取り残されていること、そして、個人的には、日本語を英語に翻訳するという頭の中の作業が、小学校から英語を教えることによって、英語が方言として認知され、自然に英語が口から出てくるようになると思っているということを説明しました。

 教育は教育機材がそろっているから優れているとは言えないのではないか?日本はミャンマーをはじめ近隣諸国からもっと多くの学ぶべきことがあるのではないか?と改めて思いました。