- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

「知事トークinキャンパス」に参加して

 10月19日の午後6時から、三重県知事の野呂昭彦さんが学生との対話を目的として三重大学で講演をされました。250名収容の医学部講義室は満席となり、後ろで立って聞いている方々もおられました。三重県知事が全学の学生との対話を目的に講演をされることは、三重大学の歴史の中で、たぶん初めてのことではないかと思います。前知事の北川正恭さんが三重大学の講堂で講演されたことがありますが、創立50周年を記念しての講演であり、学生との対話が目的ということではなかったと思います。

 知事のお話は、学生時代のエピソードから始まり、中学校の時には、当時、現附属病院の敷地にあった三重大学附属中学校に通ったこと、大学時代は、工学部でコンピュータ関係の論文をおまとめになっていた頃、最後まで解けなかった難問があり、もうだめだと絶望的になったぎりぎりの状況で、夜寝ている時にアイデアが浮かんで解決できたことなどをお話になりました。

 その後、企業への就職を経て政治家であったお父様の秘書官となり、お父様の跡を継ぐ形で衆議院議員を4期務められ、松阪市長、そして三重県知事になられた経緯をお話になりました。また、知事就任後の三重県の政策について大変分かりやすくお話になり、また、知事の人生哲学や、三重大学への期待も述べられました。学生の皆さんも最後まで目を輝かせて聴いていました。講演のあと学生からたくさんの手が上がり、知事はその質問一つ一つについて、丁寧に真摯にお考えを述べられました。

 先の6月頃に問題となった財政制度審議会の資料で地方国立大学の予算が半減されるという試算が出た時に真っ先に動いていただき、全国知事会での反対決議に結びつきました。これは、今まで三重大学が地道に築いてきた地域との良き関係の賜物であると思っています。今回の知事の来学で、三重県との良き関係がいっそう進むことを期待した次第です。