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【結果報告】三重大・南台科技大(台湾)共同研究プロジェクト「2015 Ene-1 GP SUZUKA」へ参戦

2015.8.24
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  1. 「2015 Ene-1 GP SUZUKA」は、8月2日に鈴鹿サーキットにおいて開催された、市販の充電式単三電池40本のみを動力源とした次世代エネルギーカーイベント。
  2. 三重大学は南台科技大とともに大会史上初の国際合同チーム「日台之翼 Ene-1 Team」として、「KV-40チャレンジ」に初出場した。
  3. レギュレーションに合わせて各チーム(参加総数85チーム)がオリジナルの車両を製作し、単3型充電池40本という限られたエネルギー制約の中、鈴鹿サーキット国際レーシングコース(5.8km)を3周し、そのタイムを競った。

    参考:前回記事(https://www.mie-u.ac.jp/R-navi/release/cat/2015-ene-1-gp-suzuka.html)

チーム 「日台之翼 Ene-1 Team」(ドライバー 笹岡亮佑、山中玄樹)

総合成績 10位(参加85チーム中)


Total Time 25'03.636

 1st Attack 8'33.119
 2nd Attack 8'01.473
 3rd Attack 8'29.044

総合正式結果表[PDF](https://www.mie-u.ac.jp/R-navi/release/files/0802_kv40_r.pdf

三重大学、南台科技大学の学生合同チーム 「日台之翼 Ene-1 Team」による挑戦にひとまず幕が下りた。最終結果は総合成績10位。「Ene-1 GP SUZUKA」の会場である鈴鹿国際レーシングコースは、高低差が最大40m、名物のダンロップコーナーでは登り勾配が最大7.8%にもなる難コースで、今大会でも完走率は43%となり半数以上が完走を果たすことができなかった。その中で、初参加、しかも開発期間は約半年のチームが完走を成し遂げ、BEST10に名を連ねたことは素晴らしい結果と言えるだろう。

 「日台之翼 Ene-1 Team」は大会史上初の国際合同チームである。プロジェクトを進めると、チームは直ぐに日本と台湾との物理的な距離や言語の違いなど国際連携の壁にぶつかった。例えば、プロジェクトの体制や役割分担、工程管理などを決めるだけでも多くの時間と労力を費やした。しかし、参加メンバーはメールやSkype、Lineなどのツールを活用し、国境を越え粘り強くコミュニケーションをとりプロジェクトを進めた。結果、互いの得意分野や開発環境を生かした役割分担を見出し、三重大チームが車両開発・製作、試験走行などを中心に行い、南台科技大チームは電池特性の分析や車両のモデル化など走行シミュレーション関連の開発を中心に行った。

 車両製作の開始からレース本番までの期間は僅か約半年。限られた時間の中、彼らは目標に向かって全力を尽くし、最後の最後まで諦めることはなかった。大会直前にもかかわらず、シミュレーションを基にきつい勾配対策として、車両の核となるモーターをパワー型(最高速よりトルク重視)へと換装すべく大幅な変更を施した。また、大会前日には車両を一からチェックし直し、入念なリハーサルを行い、その結果、鈴鹿サーキットへの車両の搬入が夜遅くに及ぶことにもなった。

 一方で、初参戦、国際連携、開発製作時間の制限など、様々な課題を乗り越えプロジェクトが進むにつれ、参加メンバーは日に日に成長し、レース本番が近付くにつれチームは急速にレベルアップしていった。レース当日、会場にはプロジェクトの開始時には想像もできないくらいに頼もしいチームの姿があった。結果では上位入賞には惜しくも届かなかったが、リーダーの山本 優さん(工学部4年)を中心に、三重大・南台科技大メンバーが国境を越えて一丸となり、皆が全力を尽くして取り組んだことが初出場ながらもBEST10という成果を得ることに繋がった。また、順位以上に今回のプロジェクトを通じて、車両開発・製作に関する知識やスキル、プロジェクトを成し遂げるための実践力やチームワーク、そして国際的な友情など、貴重な経験を得られたことが何よりも大きな財産となるだろう。

 大会を終えたメンバーからは「次は違うコンセプトの車両で戦えないか」「今回の車両も改良し2台で出場したい」など、既に次回の大会を見据えた話が聞こえてきた。初出場を終え、経験を得た彼らの挑戦はこれからが本番なのかもしれない。来年の夏もまた熱い夏になりそうだ。