からだのカタチと機能を取り戻す!
 スーパーマイクロサージャリーから再生治癒へ

2018.8.20

からだのカタチと機能を取り戻す!
スーパーマイクロサージャリーから再生治癒へ
医学系研究科生命医科学専攻・教授 成島 三長

成島教授の写真

手術室にて

形成外科とは

失われたかたちや機能を取り戻し、患者さんの人生の再出発をお手伝いする新しい医療、それが私たち形成外科医の仕事です。

一般的にはけがをきれいに治したり、シミやほくろをきれいに取ったりするというイメージがあるかもしれません。しかしそれはほんの一部でしかありません。例えば癌などの病気やけがで失われてしまった指や腕、足、鼻、耳、さらには喉などに、必要に応じて他の場所から組織を移植する治療を行っています。組織と一口に言っても皮膚や脂肪、血管やリンパ管、筋肉や神経などありとあらゆるものを使います。身体の機能を損なうことが無いようにカタチや機能を取り戻す(再建といいます)ために治療を行っています。

形成外科の種類

スーパーマイクロサージャリー

さて、再建の時に重要なのが、血管吻合(ふんごう)という技術です。どんな組織も血液が流れていなければ死んでしまいます。そこで移植する組織にある細い血管を、治したいところにある血管につなげます(吻合)。今までのマイクロサージャリー技術では血管吻合には1- 5㎜の太さが必要でしたが、新しいスーパーマイクロサージャリー技術によって0.1- 0.5㎜のごく細い血管の吻合ができるようになりました。これにより1歳の子のようなごく小さな指の切断の治療や、細かい形の再建ができるようになってきました。さらに現在は神経細胞をつないですぐに神経機能が回復する"ナノ"レベルの技術開発を進めています。

えっくん
新しいスーパーマイクロ吻合法(IVaS法)の開発

キズが無くなる?研究

このような最新の再建技術を使って、できてしまった傷跡は目立たなくすることはできますが、完全になくすことができません。それは、ヒトの傷は硬い線維が傷口を覆って治す"瘢痕治癒(はんこんちゆ)"と呼ばれるメカニズムで治るためです。しかしイモリのように、傷痕を残さずに治りさらに切断された腕なども回復(再生治癒)する生き物もいます。

私たちはイモリや哺乳類の治癒過程の研究をすすめており、将来けがをしても傷跡を残さず元通りに治る方法を他大学と協力しながら見つけていきたいと思っています。

はんこんちゆ

瘢痕治癒と再生治癒の違い

【この記事は『三重大X(えっくす)vol.40』(2018年6月発行)から抜粋したものです】